子どもに必要な栄養とは?親が最低限知っておきたい栄養の基礎
執筆者:熊野貴文(幼児教室ひまわり塾長)
最終更新日 2023年06月21日
子どもたちの毎日の食事、ママにとっては悩ましい問題も多いのではないでしょうか。
栄養バランスの取れた食事を毎回与えたいと思っていても、日々の忙しさや、子どもたちの嗜好や好き嫌いなどの関係で、栄養が偏りがちな食生活になってしまうこともあるかもしれません。
そもそも子どもたちに必要な栄養素とはどのようなものなのでしょう。
こちらのページでは、子どもたちの成長を支える栄養について、さまざまな角度から詳しく解説します。
子どもの栄養バランスを整えておきたい理由
人間の体を構成するために必要な栄養素は非常に多いものです。
あまりにも数が多すぎて、すべての栄養素をバランスよく、まんべんなく摂ることは不可能に近いかもしれません。
しかし、栄養バランスの取れた食事を摂ることは、子どもたちの成長や健康的な生活を支えてくれるのです。
必要となる栄養素をバランスよく体内に摂り込んでいくことで、以下のような効果が得られます。
・脳や体を動かすエネルギー源になる
・骨や筋肉などの体を作る
・発達や健康を促し体の調子を整える
とくに成長期の子どもは、脳や体の活動に相当なエネルギーを必要とします。
骨や筋肉を成長させることで、さまざまな遊びや動きができるようになっていきます。
感染症やアレルギーなど、現代の子どもならではの悩みや問題も、栄養バランスの取れた食生活を送ることで、リスクを最小限に抑えられるのです。
子どもたちの健やかな成長を支える。
これが栄養バランスを整えておきたい理由です。
当たり前のことばかりですが、きちんと再認識しておくことで、栄養バランスの取れた食生活を意識していきやすくなるでしょう。
【参考情報】子供の栄養と健康
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子どもの成長と健康を支える栄養素
子どもの栄養不足を招かないためには、どのような栄養素が必要なのかを知っておくことが大切です。
しかし先にもお話しているように、生きていく上で必要な栄養素をすべて網羅することは難しいでしょう。
だからこそ、子どもたちの成長に不可欠な重要な栄養に注目してみましょう。
食生活において重要な五大栄養素
子どもたちの成長に必要な栄養素は、大きく分けると
・タンパク質
・脂質
・炭水化物
・ビタミン
・ミネラル
これら5つとなり、「五大栄養素」と呼ばれています。
5つの栄養素が含まれる食材を、日々の食事でまんべんなく、バランスよく食べることが大切だと言われています。
しかし、どの程度の量を食べればいいかがわかりにくい上に、毎食必ず五大栄養素を摂るべきなのかなど、わかりにくい点も多そうです。
そこで活用していただきたいのが、農林水産省が公開している「食事バランスガイド」です。
当教室の講師たちも子育て当時、子どもたちの食事に悩むと、食事バランスガイドを活用していたと話していました。
聞くと、イラストで説明されているのでわかりやすい上に、1日に何をどれだけ食べたらよいかも一目瞭然なので、献立を考えるときや食事作りに重宝していたそうです。
カラフルな配色とわかりやすいイラストで、視覚に訴えかけてくる食事バランスガイド。
小さな子どもたちにも理解しやすく、食育にも役立つようなので、ぜひ活用してみてはいかがでしょう。
【参考情報】農林水産省|食事バランスガイド
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三色食品群で子どもに必要な栄養素をさらにわかりやすく
三色食品群とは、五大栄養素、それぞれの栄養素の働きをもとに、食品を3つの「赤・黃・緑」のグループにわけたものです。
・赤:からだをつくるもの(肉・魚・卵・牛乳/乳製品・大豆製品など)
・黄:エネルギーになるもの(米・パン・めん類・いも類・油・砂糖など)
・緑:体の調子を整えるもの(野菜・果物・きのこ類など)
これら3つの色に属する食材をチョイスして、バランスよく献立に摂り入れてみることで、栄養バランスの取れた食生活を目指すことからはじめてみてもよさそうです。
五大栄養素すべてを食事に摂り入れることは、最初のうちはかなり大変かもしれません。
ですが、毎日の食事で、どの色が多いか少ないかをチェックするだけでも、不足している栄養素がわかりやすくなります。
赤・黄・緑のシールを用意して、親子でどの色の食材が使われているかをチェックするなどすれば、立派な食育にもなりますのでオススメです。
【参考情報】農林水産省|栄養素と食事バランスガイドとの関係
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栄養バランスの取れた食生活をするために
子どもの食事に関する栄養素について考えたとき、子どもに食べさせたい食材はなにかや、栄養補助食品・サプリメントなども気になるところでしょう。
そのような、栄養バランスの取れた食生活をするために必要な情報について紹介します。
幼児栄養1日摂取量はおよそ大人の半分程度
幼児が1日に必要となる摂取量は、1〜2歳で900〜950kcalくらい、3〜5歳で1250〜1300kcalくらいだと言われています。
20代成人女性の1日の摂取量が1650〜2200kcalとなりますので、母親の半分〜少し多めと考えておくといいでしょう。
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おやつのときも上手に栄養補給
子どもの場合、食事だけでなくおやつの存在も重要なものです。
それならば、おやつでも五大栄養素や三色食品群を意識した食品などを取り入れてみてはいかがでしょう。
スナック菓子や子ども用の菓子を与えるのではなく、牛乳やヨーグルト・チーズなどの乳製品、果物などをおやつにすることで、栄養補給の意味を果たします。
おにぎりやパンなども手軽に食べられるのでオススメです。
1食・1日よりも1週間スパンで栄養バランスを考える
「栄養バランスの取れた食事を」と気合を入れるあまり、毎食の食事作りに疲弊してしまってはいないでしょうか。
子育てや家事・仕事など、母親は常に忙しいもの。食事作りや献立を考える作業はできるだけ簡単に手軽にできることがマストではないでしょうか。
そこで提案したいことは、1週間スパンで栄養バランスが取れているかを考えることです。
親御さんも子どもも、今日は好きなものを好きなだけ食べたい日もあるでしょうし、外食や内食になることもあるでしょう。
お惣菜を並べる日があってもかまいません。
好き嫌いが多い子どもや、食の細い子どもの場合も同様です。その日1日で食事バランスを考えるよりも、1週間スパンで栄養バランスの維持を考えたほうが、親御さんの負担も軽減できそうです。
食事は継続されていくものですので、ムリがない方法で取り組んでいけばいいでしょう。
栄養補助食品やサプリメントは栄養不足の救世主になる?
どうしても栄養不足になってしまう、栄養が偏ってしまう場合は、補助として栄養補助食品やサプリメントを取り入れることも検討してみてもいいのかもしれません。
しかし、あくまでも補助として使用することが大前提です。体によいとか、骨を鍛えるとか、頭がよくなるなど、魅力的な謳い文句に踊らされないよう注意しましょう。
成分や品質をきちんとチェックすることも大切ですが、本当に必要かどうかもよく考えるようにし、過剰摂取などもしないよう注意が必要です。
不安な場合は、かかりつけ医や、薬局の薬剤師さんなどの専門家に相談してみることをオススメします。
親も子どもも楽しめる食事で食生活を改善しよう
子どもの成長や健康を支える栄養素。五大栄養素を取り入れたり、3食きちんと食べたりすることなど、食事に対して少し意識するだけでも、食生活は大きく変化していくことでしょう。
ときには満足の行く食事が作れないこともあるでしょうし、子どもの好き嫌いや体調・気分のムラなどから食べてくれずに困ることもあるかもしれません。
そのような場合は、決してムリはせず、親子で食事を楽しむことを優先するようにしてください。
理想はあくまで理想。
こだわりすぎないようにしつつ、臨機応変に対応していくことも必要です。
心に余裕をもち、楽しくムリのない食事をすることも、バランスの取れた食生活へとつなげていく上で大切なことなのです。
お子さんが毎日口にする食べ物は、そのまま体に入って消化吸収され、お子さんの体全体に働きかけます。
脳の神経伝達物質にも影響があり、その結果脳のコンディションが変わってきます。
当教室では、この食事というデリケートなテーマについて、栄養に関する専門家である協力講師宮澤賢史先生が中心となり、「一体何が正しいのか?」ということをお伝えしております。
知らずに体や脳に悪いものを摂取し続けるのか、それとも、今回の正しい食育の知識を知ってそれを活用するのか。
その違いは、はかり知れないものがあります。
親御さんが食事を作っている期間はもちろん、将来お子さんが自立した後も、子供時代に食べたものがベースになり、食べるものが決まってくると言えます。
これから何十年にもわたり、お子さんの体や脳に影響を与えるということになります。
ぜひ、体に良い食事をしていただき、お子さん、親御さんともに変わっていただけたら嬉しいです。
幼児教室ひまわりでは、お子さまの脳を鍛える具体的な方法や難関中学に合格するための勉強法などを、オンライン講座やメールマガジンで公開しています。
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