子どもが伸びる褒め方のコツとポイント
執筆者:熊野貴文(幼児教室ひまわり塾長)
最終更新日 2023年06月30日
「子どもは褒めて伸ばす」そのように言われても、どのような褒め方をすればいいのか悩まれる保護者の方も多いのではないでしょうか。
しかし、正しく・うまく褒めてあげることで、子どもたちは驚くほどの成長を見せるのです。ではどのように褒めると子どもは伸びるのでしょう。
そこでこちらのページでは、子どもを褒めるにはどのようにすればいいか、正しい褒め方・悪い褒め方など例にあげながら紹介します。
褒めることで得られる3つの効果
子どもを褒めて伸ばすためには、ただ褒めればいいというわけではなさそうです。
しかも褒め方ひとつで子どもの成長に大きな差が出るとなれば、ママたちも子どもの褒め方について今一度考え直したいと思うかもしれませんね。
そもそも、子どもを褒めることでどのようなよい効果があるのでしょうか。
褒めることで得られる効果には、次の3つがあります。
・子どもの自己肯定感を高める
・親子の信頼関係が深まる
・モチベーションや行動力がアップする
1つずつ解説いたします。
子どもの自己肯定感を高める
内閣府が2014年に公開したデータによると、日本の子どもたちは諸外国と比較すると自己肯定感が最も低いことがわかります。
とくに10代後半から20代前半に掛けての世代が諸外国との差が顕著に現れているので、小さい頃から自己肯定感を高めるための努力が保護者にも必要になるでしょう。そこで注目されるのが、褒めることです。
親から褒められることで、子どもたちは自分を認めてもらえたと感じ、それに伴い自己肯定感が養われていきます。逆に親からあまり褒められずに育ってしまうと、自己肯定感の低さだけではなく、自尊感情が低くなってしまうケースもあるようです。
【参考情報】内閣府|平成26年版 子ども・若者白書(全体版)
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親子の信頼関係が深まる
自己肯定感を高める褒める行為は、親子の信頼関係を深められます。
親から褒められることで、自分を認めてくれている・見守ってくれていると感じた子どもたちは、自分の存在を肯定されていると認識し、認めてくれた相手に対して信頼感を高めていきます。
自分の存在価値を認識することは、保護者をはじめとする周囲の人たちに対しても思いやりをもった行動で接するようになっていくでしょう。
モチベーションや行動力がアップする
正しい褒め方をされて育った子どもは、自分に自信がもてます。
その結果、積極性が生まれ、いろいろなことに挑戦する意欲が高まります。
また、たとえチャレンジが失敗しても、モチベーションを維持したまま再挑戦ができる強さも養っていくでしょう。
正しい褒め方を子どもにし続けることで、失敗を恐れず果敢に挑戦するチャレンジ精神が育めることは、保護者にとっても子どもにとってもかけがえのないことになるはずです。
褒めは諸刃の剣、褒め方を間違えるとデメリットになる
子どもを褒めて育てることで、さまざまな相乗効果が生まれることはおわかりいただけたでしょう。
しかし、本当に褒めるだけで子どもを伸ばせるのでしょうか。
むしろ褒め続けていると、子どもに悪影響を及ぼすのではないかと心配する可能性も出てきそうです。
たしかに、褒め方を誤ると悪影響が起こる可能性は否めません。
なんでもかんでも手放しで褒めたり、過程などを見ずに結果だけを褒めたりしているようでは、褒めはメリットではなくデメリットになってしまうかもしれないのです。
褒めることは子どもを伸ばす効果があります。とは言え、「褒め」は諸刃の剣な面があるので、正しい褒め方を理解し実行することで効果が得られることを保護者の方は肝に銘じておく必要があるでしょう。
子どもを伸ばす褒めのコツとポイント
子どもをほめて伸ばすためには、保護者の方が正しい褒め方をマスターすることが最重要課題となります。ここからは子どもを伸ばすための正しい褒め方や間違った褒め方などについて詳しくお話していきましょう。
褒め方には「条件付き」で褒める方法と「無条件」で褒める方法の2種類があります。
褒め方1「条件付き」
条件付きでの褒め方は、子どもが何かを頑張ったり達成したりした際に使用します。
目標達成までの努力やなし得た結果について褒める方法です。
褒め方2「無条件」
なにか理由があって褒めるのではなく、子どもの存在すべてを保護者が受け入れ、肯定して褒めるときに使用します。
例をあげると、「ママの子どもに生まれてきてくれてありがとう」とか、「あなたがいるから私たちはとても幸せだ」などがわかりやすいでしょう。
無条件の褒めを受け取った子どもは、自分は存在していい、自分は親から愛されていると実感することで、自己肯定感を高めていきます。
無条件に褒めると言っても、節操なく何でも褒める・何でも許すこととは違いますので注意してください。
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子どもを伸ばす3つの褒め方
子どもをほめて伸ばすためには、いくつかの正しい褒め方があります。
そのなかから、今すぐにでもできる上に、効果が期待しやすい褒め方を3つ紹介しましょう。
具体的に褒める
褒めるとき、ついつい「すごいね」とか「えらかったね」などと簡単なワードで褒めてしまってはいないでしょうか。
これでも子どもは喜ぶとは思いますが、伸ばすためにはもうワンステップ上の褒め方を目指しましょう。
それが「具体的に褒める」方法です。
何かをなし得たときに褒めるのであれば、これまでの努力や頑張りに対し、具体的に褒めることを意識してください。
ひとことでまとめてしまうのではなく、具体的に説明してあげることで子どもも納得しやすいでしょう。また、ひとことふたことで褒められるよりも、自分をきちんと見てくれていると受け取ることもできます。
具体的に褒めようとして、誰かと比較して褒めるような発言は控えてください。
誰かの評価を下げてまでわが子を褒めるようなことを親がしてしまうと、子どももそれが当たり前になります。
他人を見下したり、優越感に浸ったりするようにならないためにも、保護者の方がしっかりと判断して正しい褒め方をしてあげましょう。
プロセスを褒める
子どもだけに限らず、できなかったことができるようになったときや、目標をクリアしたときは嬉しいものですよね。
そのようなとき、結果だけに注目せず、達成するまでのプロセスや頑張った過程や姿勢などに注目し、存分に褒めてあげてはいかがでしょう。
「漢字のテスト、100点取ってすごいね」「運動会のリレーで1位になってすごい!」ではなく、「毎日コツコツ努力して漢字の勉強をしていたよね、すごい」「ランニングとか筋トレ、ずっと頑張っていたもんね」などと結果までのプロセスに対して具体的な褒め言葉をかけてあげるといいでしょう。
プロセスを褒められることで、子どもは自信をつけるだけでなく「次も頑張ろう」という意識が芽生えます。
結果だけを褒めてしまうと、それ以上の努力を諦めてしまう可能性もあるので要注意。結果に対しても褒めてあげ、なおかつプロセスに対しても存分に褒める方法が子どもを伸ばします。
ですが、プロセスを知らないのに褒めるようなことをしてしまうと、親子の関係に亀裂を生む可能性もあります。褒めるときは常に誠実さを心がけることもポイントになるでしょう。
「子どもと一緒に」を大事にする
上から目線で褒められたら皆さんはどのように感じるでしょう。
あまり気分がいいものではないかもしれません。これは子どもたちも同じではないでしょうか。
そこで重要になることは「親子一緒」というキーワードです。
褒めてあげたくなるようなことが起こったら、ぜひお子さんと一緒に喜び・感動しましょう。
嬉しい気持ちを親子で一緒に共有することは、お子さんの心にも強く印象付けられますので、褒めの効果が更にアップすることでしょう。
ただ褒めるのではなく、感情を共有することで、親子関係はさらに深まりよりよい関係が築きやすくなっていきます。
このとき、頭をなでたりハイタッチしたり、年齢次第ではハグや抱っこをするなどのスキンシップを併用することもオススメです。
一緒に喜び、褒められ、スキンシップを受けることで、子どもは親からの愛情を存分に受け止めます。
ここで受け取った愛情は、ひいては子ども自身がもっている愛情の部分にも大きなよい影響を与えることでしょう。
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正しい褒め方で子どもの可能性を伸ばそう
上手に正しい褒め方をすれば、子どもたちはぐんぐん伸びる。
わかってはいても褒めることが苦手な保護者の方もいらっしゃるでしょう。
しかし保護者が褒め上手になることこそが、子どもの可能性を広げられる近道です。
褒め上手になるためには、普段から子どもに関心をもつことが大切です。
最初は簡単な言葉や声掛けでもいいと思います。
そうしているうちに、子どもの様子を観察し、どのタイミングでどのように声掛けをしたら喜ぶかを保護者の方は学習していきましょう。
褒めるだけではなく感謝の気持ちを一緒に伝えることもお忘れなく。
子どもの自己肯定感などを高めるには叱るより褒めるほうがずっと効果的です。
叱ることにパワーを使うより、褒めることにパワーを費やして、親子関係を深めていきましょう。
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