子供の自己肯定感が低いのは誰のせい?
執筆者:熊野貴文(幼児教室ひまわり塾長)
最終更新日 2022年10月02日
子育てにおいて自己肯定感が、近年より重要視されてきています。
そこでこちらのページでは、幼児教室ひまわり塾長として約1万人以上の保護者を指導してきた私の経験から、子どもの自己肯定感を高める方法をお伝えします。
私たちが指導する教育方針のなかで賢い脳を作ることはとても大切ですが、それと同じくらい重要なのが、お子さんの強い心を培うという部分です。
お子さんの強い心を培ううえで、意識すべきことは「自己肯定感を高める」ということです。
「自己肯定感」というフレーズは実は昔からあった言葉なのですが、最近特に注目されていますね。
普段の生活のなかであまり使わない言葉だと思いますが、私の教室に来ておられる方のなかには、ご存じの方も多いと思います。
自己肯定感というのは、「自分の存在に自信を持っている」という意味ですね。
つまり、
・自分が考えていることは正しいんだ
・私(ぼく)は頑張れば絶対にできる
・今は苦しいけど、乗り越えられる
・自分は存在価値のある人間なんだ
などなど。
自己肯定感があれば、困難も乗り越えていけますし、他人にも優しくなれるんですね。
では、この自己肯定感ですが、どうやって培えば良いのでしょうか。
少し深い部分に入っていきましょう。
【参考情報】安定した居場所が自己肯定感に与える影響
自己肯定感が低いのは誰のせい?

私が指導している保護者の方のエピソードをご紹介しましょう。
先日、下川さんという方からこんなご質問を頂きました。
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■ 下川さんからのご質問
小学校2年生のうちの子が何をするのも恐れてしまいます。
控えめというか、なんというか、「どうせ、自分はダメだから」と、失敗するのを恐れて何事もチャレンジしてくれません。
自己肯定感が低いんです。
(※中略)
自己肯定感を下げないように、できるだけ子供をほめて叱らないようにしています。
でも積極的になれなかったり、「もじもじ」しているわが子を見て、叱ってはいけないと思いながら叱ってしまうこともあります。
叱らない子育てをしたいのですが、何か良いアドバイスをお願いします。
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お子さんの自己肯定感が低い。
叱らずにほめてあげたい、でも、わが子を見ていると焦り、ついつい叱ってしまう。
そのせいで、さらに自己肯定感が低くなってしまっている・・・。
こんな悪循環に陥っておられます。
実は下川さんのような状況の方は、とても多いんですね。
さて、子供の自己肯定感にはどんな要素が影響するのでしょうか。
よく言われているのが、「親がどんな言葉をかけるのか」ということですね。
子供を否定する言葉ではなくて、自信を持たせるような言葉を選び、かけてあげることが大切です。
・あなたは天才なんだよ
・やれば絶対にできるんだよ
こんな言葉をかけ続けることで、心のなかに自信が育まれます。
(ここまでは、教育熱心な方であれば、ご存じの方も多いかと思います。)
でも、実はこれは根本的な解決策になっていないんですね。
なぜなら、「この言葉をかける本人=親自身」に自信がない場合があるからです。

ここは多くの方が見落としていて、あまり語られない盲点なんですね。
これは考えれば当たり前のことです。
少し不謹慎な話ですが・・・あなたが病気になった場合をちょっと想像してみてください。
不安な気持ちでいっぱいです。
そんな状況で病院に受診して、自信満々の腕利きのドクターから、「あなたの病気は大丈夫ですよ。近いうちに必ず治りますよ」と言われたら、安心しますよね。
これに対して、
少し自信がなさそうな研修医に、「大丈夫です。治りますからね」と言われても、どこか不安ですよね。
同じ言葉であったとしても、相手に自信がなければ安心できない。
これは子供の教育も同じです。
あなたがお子さんに対して、「お前は天才児だよ」「やればきっとできるからね」と声をかけたところで、あなた自身に自信がなければメッセージがブレてしまうんですね。
もちろん、お子さんにたいして、否定的な言葉をかけるよりはずいぶんと良いとは思いますが・・・親に自信がない様子は、結局子供が見ているんですね。
自身がない親の様子を見て、素直に言う事を信じられないんです。
さらに深い話に入ります。
もう1つエピソードをご紹介します。
(ちょっと笑えるエピソードです。)
お寺の息子の、ある固定観念

私が小学校の頃、松田君という同級生がいました。
彼はお寺の息子さんなんですね。つまり、お父さんはお坊さんです。
私は彼と結構仲良かったので、お互いの家に遊びに行っていました。
そんな彼が私の家に来たときに、「熊野、お前の家はどこに木魚を置いているの?今日はお経を唱えなくていいの?」・・・私にこんな質問をしました。
これを聞いた私の母親は、笑いをこらえるのに必死でした。
お坊さんの家の松田君にとっては、「家に木魚がある」「毎日お経を唱える」のは当然のことなんですね。
毎日お父さんが木魚を叩いて、お経を唱えるのが当たり前の環境で育った彼にとって、木魚がないことや、お経を唱えないことの方が特殊なパターンなわけです。
松田君のなかには、「お経を唱える」「木魚がある」というのは当たり前のこととして、認識されていたんです。
この、「当たり前」というのが結構怖いんですね。
お経とか、木魚のようなものなら、生きていくうえで、「そうか、普通の家はないんだな。うちが特殊だったんだ」と学ぶことになると思います。
でも、もしこれが、「親が自信がない」ということならどうなるのでしょうか?
親が自信がない様子を見て、それを当然だと思うんですね。
そして、結果的にお子さん自身も自信がない状態が当たり前になり、自己肯定感が下がっていきます。
「自信がない」という状況は、木魚やお経の場合と違い、周囲が指摘してくれません。
「君の母さんは自信がないんだね。普通はそんなことないんだよ」と誰も指摘してくれないんです。
「自信がないこと」を当たり前の状況と受け取り、無意識に親を真似して、自分の内面に取り入れていきます。
これはとても怖いことだと思います。
・・・
「お前は天才だよ」
「やればできるんだよ」
こんな言葉をかけたとしても、親自身の自己肯定感が低ければその言葉に説得力がないです。
そして、親の自信がない様子を見て、「こういうもんなんだ」と、子供もそれを当たり前と捉え、見本として真似していきます。
結果的に自己肯定感が低くなります。
ですから、言葉だけで伝えるのは根本的な解決策にならないのです。
これはとても大切なことですから、覚えておいてくださいね。
さて、それでは冒頭でご紹介した下川さんの状況に対して、まず何をすれば良いのでしょうか?
1つアドバイスを送ります。
叱ることへの罪悪感

下川さんのご質問のなかにある、
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でも積極的になれなかったり、「もじもじ」しているわが子を見て、叱ってはいけないと思いながら叱ってしまうこともあります。
叱らない子育てをしたいのですが、何か良いアドバイスをお願いします。
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ここがとても気になります。
最大の問題点は、「叱ることを悪いと思っている」ということだと思います。
よく、「叱らない子育てをしよう」ということを聞きますが、これはかなりハードルが高いです。
なぜなら、子供は未熟だからです。
悪いことはしっかりと叱らないと、いつまでも状況が変わりません。
つまり、「子供をしっかり叱った結果、叱らなくてすむようになる」ということなんですね。
叱らない子育てに至る過程に、叱るというプロセスがあるんです。
一気に叱らないことを目指すから、罪悪感にさいなまれるんですね。
だから、子供を叱ればいいんです。
大切なのは、「叱ってはいけないんじゃないか」と不安な気持ちで叱るのでなく、「叱るのがあたり前だろ!」と自信を持って叱ることです。
これは、「大きな声で怒鳴りつけても良い」と言っているわけではありません。
叱る際には、「何が悪かったのか。どうすれば叱られずに済むのか」ということを冷静に伝えることが重要なんですね。
ここをきちんと考えることができれば、お子さんを叱っても自己肯定感は下がらないのです。
親が自信を持って叱らないと、そのメッセージが子供に伝わらず、結局中途半端になってしまいます。
自信を持って叱ってあげることも子供への愛情表現の1つですからね。
ですから、もしあなたが下川さんと同じような状況でお悩みなら、
1.自信を持って子供を叱る
2.結果的に叱らなくて済むようになる
というプロセスを理解することが、最初のステップになりますね。
そんなに難しいことではないですね。
親が自信を持つことができれば、子供にも伝わります。
それが、自己肯定感を培うために、とても大切なことですね。
うわべだけを取り繕っても、そんな言葉には重みがありません。
子供が求めているのは、「自信がない親がかけてくれる気休めの言葉」ではなく、「親が自信を持って、見本となり、自分のことを導いてくれること」なのだと思います。

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