「習い事をやめたい」と子どもが言い出したとき親はどう対応すればいい?
執筆者:熊野貴文(幼児教室ひまわり塾長)
最終更新日 2023年07月10日
子どもが「習い事をやめたい」と言い出した場合、親はどのように対応すればいいのでしょう。
もう少し頑張ってみてはと説得して続けさせるのか、すぐに辞めさせるほうがいいのか悩まれる方も多いことでしょう。
親としてはせっかく習いはじめたのだから、できれば長く続けてほしいと考えるのも本音かもしれません。しかし子どもがやめたいと言い出していることにはなにか理由があるのではないでしょうか。
こちらのページでは、子どもから「習い事をやめたい」と言われたとき、親はどのように対応すればいいかについてお話しします。
習い事をやめたい子どもに親が最初にやること
子どもが習い事をやめたいと言い出したとき、やめさせることは簡単です。
ですが、やめてしまうことでこれまでに積み上げた経験やスキル、頑張った時間など、すべてが一旦リセットされてしまうのは少しもったいないことです。
状況次第ではやめたいという子どもの気持ちを汲むことも必要かもしれません。
では親は一体どう対応すればいいのでしょう。
子どもが習い事をやめたいと感じた理由を確認しよう
習い事をやめるにせよ、続けるにせよ、子どもがなぜ「習い事をやめたい」と感じたのか、その理由を知ることが必要です。
そのためには、まずは子どもの話を聞くことからはじめてみてください。
習い事そのものが合わないのか、人間関係などのトラブルが起こっているからなのかなど、やめたいと感じた理由によって対応策は変化します。
習い事そのものは好きだけれど、いつまで経っても上達できなくて結果が出せないことに悩んでいたり、友だちや先生との相性が合わず苦しんでいたりするケースもあるでしょう。
単純に習い事が「つまらない」と感じていたり、学校や遊びとの両立がうまくできないことにストレスを抱えたりする子どももいます。
まずはただ子どもの話を聞き、習い事をやめたいと感じた気持ちに寄り添ってあげてください。
そのうえで、子どもは本当に習い事をやめたいのか、続けさせるべきなのかを見極めていくといいでしょう。
【参考情報】幼児の習い事に関する研究 ―性差に着目した考察
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習い事を継続させたい場合の対応
子どもが習い事をやめたいという理由次第では、親としてはもう少し継続してもらいたいと考える場合もあるでしょう。
ここまでやったことや努力や時間、負担したお金がムダになってしまうと思うことも当然です。
では子どもを説得して習い事を継続させたい場合、どのように子どもに対応すればいいのでしょう。
子どもの努力を褒める・認めた上で応援する
子どもが習い事をやめたいと感じた理由によっては、すぐに辞める選択をするのではなく、説得や応援をすることで継続できるよう促すことも可能です。
習い事自体はやっていて楽しいのにうまく成果・結果が出せない。
周囲と比べてうまくできないと感じることがツライなどというのであれば、「もう少し頑張ってみよう」と説得してみたり、現状で頑張っている部分を褒めたり、認めたりするなどして応援してみてください。
成果や結果を出すためにはどうすればいいのかなどのアドバイスをしてあげることもいいでしょう。
そうすることで子どもの気持ちも少しは晴れるかもしれません。
実現可能な目標設定を設け達成後に再考させる
頑張っても成果がでない、結果が出せないとくすぶっている状態であれば、少し頑張れば実現可能な目標設定をし、クリアできたら本当に辞めるかどうかを再度考えさせる方法もあります。
伸び悩みのせいでやる気を失っているのであれば、「次の級に進級できたら」とか、「次の発表会(試合)が終わったら」など、明確でわかりやすい期限を設け、辞めてもいいタイミングを設定してみましょう。
子どももゴール地点が見えることで、「もう少し頑張ってみよう」という思考に切り替えられるかもしれません。
できないことがツラすぎて、自己肯定感が低くなってしまいやめたいと感じている場合は、スモールステップ法がオススメです。
スモールステップ法とは、目標を細分化し、簡単なことから達成していく方法です。
小さな成功体験の積み重ねと、達成するまでの道のりが短めな目標設定であれば、モチベーションアップにもつながっていきます。
こちらも目標達成できた時点で、あらためて継続するかどうかを決めてもいいでしょう。
教室を変え習い事は継続する
習い事自体は好きで楽しい。
しかし先生やコーチ、一緒に学ぶメンバーとの相性が合わずやめたいと感じているかもしれません。
また、やりはじめたものの、学校や他の習い事の兼ね合いがうまく行かず、疲れてしまっている可能性も考えられます。
そのような場合は、習い事は継続することにし、曜日や時間帯の変更ができないかを提案してみてもいいかもしれません。
状況次第では今の教室は退会し、同じ内容の習い事ができる別の教室に通うといった選択肢を検討してみてもいいでしょう。
【参考情報】子どもの主体性を育む支援の在り方
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習い事をやめたい理由が深刻な場合
子どもがなぜ習い事をやめたいと考えているのか。
その理由や置かれている状況次第ではやめる選択肢を選ぶ必要もあるでしょう。
子どもの様子を見ながら、ひとまず休ませるのか、すぐにやめるのかの判断を見極めましょう。
早急に答えを出さず少し休んで考えさせる
子どものなかで、習い事をやめたいという結論だけは出ていても、親に理由をうまく説明できなかったり、言いたくなかったりなどから話してくれないこともあるかもしれません。
そのような場合は、子どもに無理強いして理由を聞くようなことは避けるようにしましょう。
まずは先生やコーチに相談をし、子どもの習い事での普段の様子などを確認することからはじめてみてください。
その上で子どもがやめたいと悩んでいる旨を相談してみるといいでしょう。
状況によってはすぐ辞めさせたほうがいい場合もありますが、可能であれば少し休んで子どもが気持ちの整理をする時間を設けてあげてもいいかもしれません。
すぐに結論を出さない方がいい場合もありますし、休んでいる間に気持ちが変わったり、別の解決策が見つかったりすることも起こりえます。
すぐにやめさせる
子どもが習い事をやめたいと感じた理由が、ただ単に面倒だからとか、さらに遊ぶ時間がほしいからなどの場合は、やめる決断を焦る必要はありません。
しかし習い事自体がイヤになっていたり、習い事へ行くことすらツライと感じていたりする状態になっているのであれば、早急かつ慎重な判断が求められます。
習い事の成果がでない・上達しないことに、体調不良になるほど悩んでしまう子どももいます。
あまりにも思い悩みすぎて自己肯定感の低下を招き、体調不良になってしまうことは大人でも珍しいことではありません。
先生・コーチとの相性や指導方法があわずにツライと感じることもあるでしょう。
一緒に通っている仲間からイジメられたりからかわれたりしている可能性もあります。
習い事へ行きたくないと言い出す、習い事の時間が近づくと元気がなくなったり体調不良を起こしたりなどの兆候が見られたら、子どもの心の負担を減らすためにもすぐにやめることを検討したほうがいいでしょう。
【参考情報】子どもの気持ちを引き出す保育者の言葉とかかわり
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子どもの「習い事をやめたい」気持ちや本音に寄り添おう
子どもから「習い事をやめたい」と言われたら、親はまず話をじっくり聞くことからはじめてみてください。
どのような理由であっても、まずは子どもの思いや考えをすべて確認し、そこから親子で話し合うことが大切です。
本心を隠し、本音を言い出せない子どももいるかもしれません。
そのような場合は、早急に結論を出すのではなく、子どもの言動や態度を注意深く観察してから答えを出すようにしてください。
そのために一時的に習い事を休むことも視野に入れておくといいでしょう。
子どもの時間は長いようであっという間に過ぎ去っていきます。
限られた時間の中で、多くの興味や関心がもてて、たくさんの経験を得られる楽しい習い事が見つかるよう、子どもをサポートしてあげてください。
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