ひらがなの教え方・・・いつから、どんな練習をする?

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ひらがなの教え方・・・いつから、どんな練習をする?

執筆者:熊野貴文(幼児教室ひまわり塾長)

最終更新日 2022年10月02日

「ひらがなの教え方をどうするのか?」について、お子さんを医学部へと導いた当教室の上田先生と大平先生の教育をもとに、ご紹介いたします。

幼児教室ひまわり上田尚子先生のプロフィール

幼児教室ひまわり大平博美先生のプロフィール

語彙に関する相談で多いのは、「ひらがなの教え方をどうするのか?」ということに関してです。

たとえば、こんな感じのご相談が当教室のサポートチームに寄せられます。

3歳の男の子をお持ちのお母様です。

「先生、うちの子がなかなかひらがなを覚えてくれません。ひらがなの練習帳も使って、何度も教えているのですが、全然身につかないので焦ってます。ひらがなを上手に身につけさせるための、教え方のコツをアドバイスしてください」


お子さんにひらがなを教えたいのに、なかなか学んでくれない。
幼稚園の他の子はすでに、「あ・い・う・え・お」を書けるのに、どうしてわが子は…

こんな焦りを抱いておられる方は実は意外と多いんです。

そこで、このページでは、「ひらがなの教え方と練習方法」というテーマについてお伝えします。

さっそく始めていきましょう。


派手な広告に、焦らないで!
ひらがな教育2

ひらがなの練習のお話に入る前に、お伝えしたいことがあります。

新聞や雑誌を見ていると、独自の教育法やドリルなどを宣伝するための広告のなかに、
こんな利用者の声をよくお見かけします。

・うちの子は3歳なのですが、すでにひらがなを覚えています!
・今年4歳になったのですが、自分の名前を書いて驚きました

このような、目に見える結果を前面に押し出した広告です。

そして、こういう派手な広告を見ると、焦ってしまうことになります。

でも、焦る必要はありません。

「ひらがなの読み書きができる」というのは断片的な成果であり、トレーニングの結果なのです。つまり、ひらがなが書けるからと言って、その子が頭が良い子だとは限らないということになります。

本当に頭の良い子というのは、

・自由に発想し、それを作りあげる
・状況判断ができ、自分で考えられる
・物事の本質を見る目がある

こういった子を指していますから、

「ひらがなが書ける」=「賢い子」

というわけではありません。

ただ、結果として目立ちやすいのでそれが広告になっているだけです。

たとえばこれが、

・うちの子は幼稚園児なのですが、困ったときに冷静に判断できます
・今年5歳になるわが子は、友達の気持ちがすごく理解できます

などの目に見えない結果であれば、インパクトがないですよね。
でも、こういう子が本当に賢い子なんですが・・・。


さて、なぜこのようなことをあなたにお伝えしたかと言いますと、あなたが焦らないようにです。
ひらがなが書けることに執着すると、無理に詰め込んで教えてしまい、子供の発想力が奪われたり、勉強嫌いになってしまうんですね。

5歳でひらがなが書けない場合も、別に遅いわけではありません。
幼児期のうちは、体験や創造をベースに教育してあげて、脳の下地を培うことが大切です。

それでは、実際にいつからお子さんにひらがなを教えれば良いか。
そのタイミングをお話しましょう。


ひらがなはいつから教え、練習させるべき?
ひらがな教育3

お子さんにひらがなを教えるタイミングに関して、私たちの教室では以下のように指導していました。

まずは、2019年までの当教室の指針をご紹介します。
(2020年からブラッシュアップされました)


以下、2019年までの当教室のアドバイスの方針です。

お子さんにひらがなを教える年齢は以下を目安に考えてください。
早すぎるのも、遅すぎるのも、あまりオススメできません。

・女の子の場合は4~5歳
・男の子の場合は幼稚園の年長さんの時


子供にいつからひらがなを教え、練習させるか・・・。
これは、教育者によって考え方が大きく分かれていますが、色々な状況を総合的に考えると、私はこの年齢がベストだと思います。

この理由について、さらに深くご説明していきましょう。


まず、これは男の子と女の子に共通する考え方なのですが・・・「ひらがなを教えるべきタイミングは、子供が興味を持ったときである」ということを意識してください。

そもそも6歳までのお子さんは、ひらがなを文字として認識せず、絵として見ていると言われています。
このため、興味を抱かない限りは各文字の違いを認識させることはとてもハードルが高いのです。

イヤイヤ強制的に教えたところで、子供の自主性の芽を摘んでしまうリスクも発生する可能性もあります。
ですから、お子さんがひらがなに興味を持つまで待ちましょう。


逆に子供は一度興味を持つと積極的に学び始めます。

「あれ、なんて書いているの?」
「いぬって、どう書いたらいいの?」

というように、子供の方から食いついてくることになるでしょう。

女の子の場合は、このタイミングが4歳~5歳に訪れます。
友達やお母さんにお手紙を書いたり、紙に自分の思いを綴ったりなど、文字を通じたコミュニケーションに興味を持ち始めるからですね。

これに対して、男の子の場合はこんな機会がなかなか訪れません。
お手紙を書くことよりも、外で遊ぶことの方が興味があります。
しかし、小学校に行くまでにひらがなを知らないという状況なら、勉強のスタートが遅れてしまいます。
そのため、男の子でお子さんがひらがなに興味を持たなかった場合は、結局年長さんくらいから、教え込んでいくことになります。


大切なポイントは、

・ひらがなを教えるのは、年齢が早いほど良いわけではない
・子供が興味を持ったときこそが、ひらがなを教えて練習させるべきとき
・男の子と女の子では、ひらがなを練習させ始める年齢が違う

このあたりになりますので、しっかりと抑えておいてください。


ここまでは、2019年の当教室の指針です。

しかし、私たちの教室の大平先生(お子さんは京大医学部と阪大医学部)、上田先生(お子さんは東大理Ⅲ首席)の話を聞いていると、もっと深い部分が分かってきました。

上田先生いわく、「文字を教えるのは早ければ早い方がよいに決まっています。なぜならそれで子供の世界が広がるからです」という意見でした。

そして、大平先生も、「わが子が興味を持っている絵本のなかで、2歳くらいから文字を教えていました」とおっしゃっています。

このような、実績のあるお二人の体験談には、私もとても考えさせられました。

なので、これまでの意見を総合して、以下のようにノウハウをアップグレードしました。

【基本方針】
ひらがなを教えるタイミングはわが子が興味を持ったとき

【そのために親がすべきこと】
わが子がひらがなに興味を持つための工夫をして、できるだけ早くひらがなを教えてあげる。ただし、興味もないのに、無理にひらがなを教えるのは逆効果。
わが子がひらがなに興味がない状態で無理に教えるのではなく、まずはひらがなに興味を持つための環境を整えることが重要。

2020年からはこういうふうにアドバイスしています。

このように、私たちのノウハウも常に進化しています。


ひらがなの練習、教え方の2つのポイント

さて、子供にひらがなを練習させる時には大切なポイントが2つあります。
ひらがなの練習帳などを使う前に、ぜひ以下を覚えておいてください。

これは、長年幼児教室を運営している当教室の主任講師の藤井先生からのアドバイスです。


1.まずは読みから教えていく

ひらがな教育4

ひらがなを教える際には、「ひらがなを読むのも、書くのも両方を同時に教えていく」というのではなく、先に読みを教えると良いでしょう。

読めないものは、書けないので、読みと書きを同時に学ぶのはお子さんに負担が大きいです。

周囲の世界のなかのひらがなを一緒に読んであげてください。
何度も接触して読むうちに、お子さんが自然と覚えていきます。

そして、一通り読むことができればひらがなの練習帳などを使って、自分で書かせるようにしてみます。


2.筆圧を強くすることを意識する

ひらがな教育5

私が小学校のときは、みんなが使っていた鉛筆はHBが一般的でした。
しかし、今の時代ではBか2Bを使っている子が多いです。
これは、「今の子は筆圧が低下してきている」ということを意味しています。

指先は脳につながっていると言われ、筆圧が弱いと脳も刺激されず、思考力が弱くなってしまいます。(実際、私の灘中学の同級生にも筆圧の弱い子はいません。)

しっかりとした筆圧をつけることが、脳を鍛えるのに役立ちますから、ひらがなを練習させる際には筆圧を意識するようにしてください。

小さな子供は、鉛筆を持った際に「横に動かすこと」ばかりを意識する傾向にあります。
ですから、強く書くことを教え、習慣化させてあげてください。


子供の能力は、ひらがなだけでは測れない!
ひらがな教育6

さて、ひらがなの練習について、

・いつから教えるのがベストか?
・練習させる際の、教え方の2つの注意点

これらについてお話しましたが、最後にもう一度お伝えしたいのは、

「ひらがなが読み書き出来ることは子供の能力のほんの一部である」

ということです。

幼児教室や教材などの広告に、「2歳でひらがなの読み書きができるようになりました」などの強烈な宣伝文句が書かれ、多くの保護者の方がそんな状況にとても魅力を感じる傾向にあります。

しかしここで焦ってしまい、お子さんに無理に詰め込むのはあまり賢い選択ではありません。
ひらがなが書けるからといって、賢い子とは限らないからです。

・自由に発想し、それを作りあげる
・状況判断ができ、自分で考えられる
・物事の本質を見る目がある

このような本物の賢さは、目に見える結果としては現れにくいものだと言えます。

ですから、子供がまだ小さなうちは色々な体験や遊びを通して、考える力を培ってあげることが、
とても大切だと言えます。
ここはとても重要なポイントですから、ブレないようにしてください。

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