6歳児の教育法は?特徴や身につけるべき生活習慣も解説!
執筆者:熊野貴文(幼児教室ひまわり塾長)
最終更新日 2023年08月01日
子どもは6歳になると、身体的・精神的に大きな発達を見せ、多くのことができるようになります。
しかし、6歳の我が子に対しどのような教育を施せばいいのか分からず、悩んでいる方も多いのではないでしょうか?
今回は6歳児の教育法について、6歳児の特徴や親の接し方、身につけるべき生活習慣なども解説します。
6歳の子どもをお持ちのご家庭は、ぜひ参考にしてください。
6歳児における発達の特徴
6歳児における発達の特徴について、以下の2点から解説します。
・身体的な発達の特徴
・精神的な発達の特徴
身体的な発達の特徴
6歳児は、著しい身体的な発達を見せる時期です。
運動能力が飛躍的に向上するため、下記のような複雑な運動ができるようになります。
・ボールを手で受け取り、投げる
・両足でジグザグに走る
・自転車を補助輪なしで運転できる
また、6歳児は細かい動作を行う能力が向上します。
ブロックを積み上げたり、絵を描いたりなど手先の器用さを求められることが得意になる点が特徴です。
日常生活では自立的に行動できるようになり、服の着脱や靴の紐結びなど自分でできることが増えてきます。
6歳児はなるべく運動の機会を多くし、体を思い切り動かせる環境を整えることが大切です。
子どもの成長に合わせた安全な遊具を用意し運動させることで、自信や運動能力の向上につながるでしょう。
精神的な発達の特徴
6歳児は身体だけでなく、精神的な発達も目覚ましい時期です。
自己意識が強まり、自分と他者との違いを理解するようになります。
また、友情や共感の大切さに気づく時期で、友だちとの交流が活発になり、遊びを通じて協力やコミュニケーションのスキルを向上させていくのが特徴です。
具体的には以下のことができるようになります。
・相手によって話す内容を変えられる
・公共の場にふさわしいマナーを実践できる
・役割やルールを理解し従える
・友達と協力して問題解決するようになる
6歳児は言語能力に大きな発達が見られ、質問に対してスムーズに受け答えし会話できるようになります。
また、「1〜10までを正確に数えられる」など数字も理解できるようになる点が特徴です。
6歳児は好奇心旺盛で、疑問を持つことが多くなります。
本を読んだり、自然とのふれあいなどの機会を与えることで、知的好奇心を刺激してあげましょう。
【参考情報】5~6歳児の社会性に関する実験的観察
【関連記事】子供に人気の外遊び10選!道具なしの遊びやおすすめのおもちゃもご紹介
6歳までに身につけるべき生活習慣
6歳までに身につけるべき生活習慣として、以下の4つが挙げられます。
・生活リズムを整える
・身支度を自分で行える
・公共の場で静かに過ごせる
・食事前後での挨拶などマナー
生活リズムを整える
生活リズムを整えることは、子供の健康と成長にとって重要な要素です。
小学校に入学すると、決められた時間に授業に参加するなどルールにのっとり生活する必要があります。
早寝早起きなど日々の生活リズムを確立し、規則正しい生活を送ることで、こうした学校でのルールも守りやすくなり集団生活に馴染みやすくなるでしょう。
また、生活リズムを整えれば、充分な睡眠と食事を取れるため、体力や注意力が向上します。
一度身についた生活リズムはなかなか変わりにくいため、早い段階で生活リズムを整えてあげましょう。
身支度を自分で行える
6歳までには、自分の身支度を一部自分で行えるようになることが理想的です。
自分で服を脱いだり着たりする、歯を磨く、手洗いやトイレを使うなど、基本的な身支度ができれば、小学校での生活も困らないでしょう。
公共の場で静かに過ごせる
社会性を身につけるためには、公共の場でのマナーや行動規範を理解することが不可欠です。
静かに話す、他の人の邪魔をしない、列に並ぶ、他人に配慮するなどの基本的な行動を覚えることで、周囲の人と円滑にコミュニケーションをとれます。
外出時には、子供にどうふるまうべきかを事前に説明し、親が上記行動の手本を示すことが大切です。
食事前後での挨拶などマナー
食事は家族や友人との交流を深める大切な時間です。
これから小学校へと入学する6歳までには、食事の前後に挨拶をするようなマナーを身につけることが望ましいです。
感謝の気持ちを表すために「いただきます」「ごちそうさま」などの挨拶を教え、食事中にはマナーを守るよう促しましょう。
テーブルマナーを身につけることで、周囲の人と楽しくコミュニケーションを取れるため、人間関係の構築にも役立ちます。
【参考情報】マナー教育の必要性と教育者の役割
【関連記事】子どもに必要なマナーとは?シーン別に求められるマナーを解説
6歳児教育における子どもとの接し方
6歳児教育における子どもとの接し方は、主に以下の6つが挙げられます。
・ある程度子どもに任せる
・色々な遊びや体験を大事にする
・子どもに共感してあげる
・命令口調をやめる
・子どもの疑問は一緒に考える
・愛情をしっかりと伝える
ある程度子どもに任せる
親があまりに子どもの行動へ干渉しすぎると、子どもが自分で考えることをやめてしまい、成長しなくなります。
6歳児は自主性が芽生え、自分でできることを増やしたいという欲求が強くなる時期です。
親は、可能な限りサポートに徹し、積極的にチャレンジできる機会を提供しましょう。
自分自身で考えて行動する機会が増えれば、理解力や記憶力といった能力を向上させられます。
色々な遊びや体験を大事にする
6歳児は論理的思考力など脳が大きく発達する時期ですが、こうした能力は身の回りの体験を通して培われます。
6歳児は好奇心旺盛で、様々な遊びや体験に興味を持ちます。
親は子どもの興味を尊重し、多様な体験を提供することが重要です。
自然と触れ合う、音楽を奏でる、絵を描く、物語を読み聞かせるなど、幅広い経験を通じて子どもの好奇心を刺激し、健全な成長をサポートしましょう。
子どもに共感してあげる
もし子どもが辛い体験について話しかけてきた時に「そんなの辛いうちに入らないよ」と否定してしまうと、自分自身が否定されたように感じ心を閉ざしてしまいます。
「そう思ったんだね」と子どもの話を受け止めてあげることで、子ども自身は自分が受け入れられていると感じ、自分の意見を積極的に話すようになるでしょう。
子どもに共感してあげることで、子どもは積極的にコミュニケーションを取れるようになり、小学校の集団生活にも馴染みやすくなるでしょう。
命令口調をやめる
「〜しなさい」など命令形で伝える習慣を繰り返してしまうと、子どもは自分で考える力を伸ばせなくなってしまいます。
その上、子どものやる気を削いでしまい、積極的にチャレンジしなくなる可能性もあります。
命令形ではなく、穏やかな言葉遣いで依頼するよう意識しましょう。
例えば、「お片づけして」と命令するよりも、「お片づけがちゃんとできたほうが次に使う人が気持ちいいよね」と言ってあげます。
なぜその行動をする必要があるのか理由を添えることで、子ども自身が自発的に判断して行動できるようになるでしょう。
私自身も、親から命令されて行ったことは一度もなく、あくまで私自身が自発的に行動するよう促していたのを覚えています。
勉強をするときも「勉強したらおやつをいっぱい食べられるね」と、ご褒美を理由に自発的な取り組みを促していました。
何か子どもに取り組んで欲しい時は、子どもが自発的に取り組むよう工夫してあげることが大切です。
子どもの疑問は一緒に考える
6歳児は好奇心旺盛で、日々様々な疑問を持っており、多くの質問を親にしてきます。
親が子どもの疑問を真剣に受け止め一緒に考えることで、「考えることは良いことなんだ」と子どもが認識でき、自分で考える習慣を身につけられます。
親がサポートして目の前の疑問を解決できれば、成功体験を積み重ねられるため自己肯定感を高められます。
愛情をしっかりと伝える
大きく成長を見せる6歳児ですが、まだまだ親に甘えたい時期でもあります。
子どもは親の愛情を受けることで、安心感を覚えるとともに自己肯定感も高くなる傾向があります。
反抗的な態度をとる場面もありますが、子どもを落ち着かせるためにも親は子どもの言うことを受け止め、スキンシップをとるなど愛情を伝えてあげましょう。
【参考情報】親子関係における絆の研究
【関連記事】愛情不足の子どもに見られる3つの特徴とは?
6歳で反抗期になった時の対処法
6歳で反抗期になった時の対処法として、以下の3つが挙げられます。
・子どもの話をしっかし聞く
・普段から「ダメなものはダメ」と言う
・対等な人間関係を築く
子どもの話をしっかり聞く
もし子どもの話を適当に聞き流してしまった場合、子どもは「認められていない」と感じ、より反抗的な態度が強くなってしまいます。
親は、子どもの話をしっかりと聞くことで、彼らの気持ちや思いを理解しましょう。
相手の立場に立ってコミュニケーションをとることで、子どもは自分の気持ちを表現しやすくなり、双方の信頼関係が築かれます。
感情的にならずに冷静な対応を心掛け、コミュニケーションを大切にすることが重要です。
普段から「ダメなものはダメ」と言う
反抗期は子供に気を使う時期ですが、普段からやってはいけないことに関して注意してあげましょう。
怪我や命に関わることが起きてからでは遅いからです。
「車が多い場所では道路に飛び出さないようにね」と、やってはいけないことに関してお互いが冷静な時に声をかけてあげましょう。
上記のように理由や背景を説明することで、子どもが理解しやすくなります。
対等な人間関係を築く
6歳児は身体的・精神的にも大きく成長している時期で、ある程度のことは自分でできるようになります。
自己主張も強くなる時期であり、子供扱いするとより反抗心が強くなってしまいます。
そのため、親は大人と同様に対等な人間関係を築くことが大切です。
一方的な指示ではなく、子どもと共に意見を交換し尊重する姿勢でコミュニケーションを取りましょう。
互いに尊敬し合い信頼を築くことで、反抗的な態度も落ち着いてきます。
【参考情報】第二反抗期に対する認識と自我同一性との関連
【関連記事】勉強をしないわが子を叱るのは、本当に良いことですか?
生活リズムを整えるなど社会性を育む
6歳児は、身体的な発達では歩行や細かい運動能力が向上し、精神的な発達では言葉の成長や感情の変化が見られます。
自分でできることも増えてきますので、毎日活動的になっていくと思います。
ただ、「賢い子に育てたい」と考えている親御さんは、この時期からも積極的に勉強に導こうとされる方も多いと思います。
もちろんこの時期から、どんどん先取り学習をすることはとても良いことです。
ただ、体を動かす運動を否定したり、その時間を削り、お子さまの意思を無視して勉強させることは避けましょう。
幼児教室ひまわりでも、「この時期から学習習慣をつけさせるために勉強を促しているが、わが子がなかなか勉強してくれない」というご相談をよくお受けします。
この時期の子どもは、体を動かしながらも頭を使い、脳を発達させていきます。
運動も脳を発達させるのです。
運動を否定して、子どもの気持ちが乗らない状態で勉強させようとしても、子どもが勉強嫌いになる可能性がありますので、逆効果と言えます。
ですので、運動の時間を削って勉強時間を作るのではなく、運動の時間の中で、頭を使う機会を作るような工夫をすることをおすすめします。
とにかくこの時期は、たくさん体を動かし、たくさん頭を使うことで、お子さまは賢く育っていきます。
ぜひ、実践してみてください。
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