算数の文章題に強くなる学習法!素早くを解くための5ステップ
執筆者:熊野貴文(幼児教室ひまわり塾長)
最終更新日 2023年07月02日
学年があがるにつれ難しくなっていく算数の文章題。
あまりの難しさに悪戦苦闘する子も珍しくないようです。
当教室に子どもを通わせている保護者からも、算数の文章題の教え方について相談を受けることが多々あります。
なぜそれほどまでに算数の文章題は難しいのでしょう。
こちらのページでは、小学生の算数の文章題がなぜ難しいのか、文章題を解くコツや学習方法など、さまざまな角度から詳しくご紹介します。
算数の文章題が難しいのは求められるスキルが多いから
算数の文章題は、子どもたちの応用力や論理的思考力を育む上で重要な意味と要素をもっています。
計算式とは異なり、文章題は文章の中に数や数量に関する情報が盛り込まれており、それらの情報を読み取らなければなりません。
読み取った情報を元に、適切な計算や論理的思考を働かせることで、問題の回答を導き出せるのです。
文章題を解くためには、数学的な概念や計算手法を実践的に応用する力が必要になります。
くわえて、文章に含まれた情報を素早く的確に読み取るために、読解力などの国語的要素も求められるため一筋縄ではいかないのでしょう。
【関連記事】難しい算数の問題を解くための5つの実践学習法
小学生の算数の文章題を難しく感じる2つの原因
算数の文章題を難しいと感じるのには2つの理由が考えられます。
算数の基礎学力が身についていない
算数の文章題では複数のステップと計算手順が必要です。
これらの手間と複雑な流れを処理するには、論理的思考や計算力が総合的に備わっていなければ難しく感じてしまいます。
つまり、算数の基礎的な学力がしっかりと身についていなければ、文章題は解けないのです。
基礎が中途半端なままであったり、わからないことを置き去りにしていたりすると、文章題を解くために必要な手順や要素を見落としてしまいます。
まずは算数の基礎学力をしっかりと定着させましょう。
国語の基礎学力が身についていない
文章題を解くには、読解力や文章の場面を想像してイメージする力が不可欠です。
これらは国語力につながるため、算数でありながら国語の基礎学力が求められます。
国語力となる読解力や場面を想像する力が備わっていれば、頭の中で文章を絵や映像としてイメージできるので、順番に整理し必要な数式などをあてはめていけるのです。
【参考情報】これからの中学受験算数の意義と展望
【関連記事】算数のテスト勉強はどうすべき?苦手になる原因や効果的な勉強法を紹介
算数の文章題を解くための5つの流れを覚えよう
算数の文章題は、計算式とは異なり以下の5つのステップを踏む必要があります。
1.問題文に含まれている語句や内容を理解する
2.問題文に描かれている場面をイメージする・情報を整理する
3.イメージ化した状況を立式する
4.計算する
5.解答する
これらを算数の文章題を解くための型とし、流れをしっかりと覚えるようにしておきましょう。
算数力向上に欠かせない!小学生のための文章題攻略法
難しいと思われがちな算数の文章題を攻略するには、どのようにすればいいのでしょう。算数の文章題を解くための攻略法を3つ紹介します。
算数の文章題攻略法1「問題文を理解する」
算数の文章題を攻略する最初の方法は、問題文を正確に理解することです。
慣れるまでは時間をかけて丁寧にゆっくりと問題文を読み解いていきましょう。
オススメの方法は問題文の「音読」です。ただ声に出して読むだけではなく、問題文の中に含まれている語句や言葉の意味、内容を考えながら音読することが重要です。
図やグラフが問題文に添えられている場合は、問題文の中にある語句や文章とどのような関わりがあるのかなども注意深く観察してみましょう。
これらは文章題を解くために必要なトレーニングとなりますので、繰り返しおこない、徐々に算数的な読解力を高めてスピードアップを目指してください。
算数の文章題攻略法2「問題文の場面をイメージする・情報を整理する」
問題文の場面を頭の中で明確にイメージできれば、問題文の中にある重要な情報を見つけ出しやすくなります。
イメージ以外に、絵やメモなどで紙に情報を書き出して整理していく方法もオススメです。
問題文の場面をイメージ化したり書き出したりすることで、文章題を解くために必要な情報を整理していきます。
すると、重要な情報を見逃しにくくなるので、次の項目となる「立式」にもつなげやすくなるでしょう。
最初のうちは難しいかもしれませんが、繰り返しトレーニングしていくことで、イメージ力や情報・思考の整理力は養われていきます。
その結果、文章題が解きやすくなっていくでしょう。
算数の文章題攻略法3「立式(りっしき)する」
文章題を攻略するためには、答えを求めるためにいきなり計算するのではなく、立式をした後に正しく計算します。立式と計算式の違いは以下のとおりです。
例題
トマトが3個あります。おばさんから貰ったトマトを合わせると全部で7個になりました。トマトを何個貰ったのでしょう。
このような場合、計算式では答えを求めることが大前提となるため、計算式は「7-3」です。
しかし立式の場合は「3+x=7」とします。
立式では答えを求めるのではなく、問題文の中にある関係性をそのまま式にします。
このように立式することで、足し算に登場した「x」を見つけ出すための引き算が行われるという流れになるのです。
しかし最初から立式を習得することは大変難しいもの。
そこで最初のうちは、正しい計算式を子ども自身の言葉で説明してもらう方法がオススメです。
さきほどの例題の場合だと、「どうして7-になるかわかる?」などと質問します。
「今ある数が7個だからそこから引き算をする」などと答えられるように、式を読み取るトレーニングを重ねていきましょう。
式を正しく読み取れるようになれば、自ずと式を立てる力も備わっていくはずです。
【関連記事】中学受験の算数に強くなる3ステップ
算数の文章題を保護者が教えるときの3つのポイント
算数の文章題に悪戦苦闘する子どもたちに、保護者はどのようなサポートをすればいいのでしょう。3つのポイントを紹介します。
親子で問題文を読み解く習慣を育てる
文章題を解くためには、問題文を正しく読み取り理解する力が不可欠です。
親子で問題文を読み、ポイントとなる情報や条件を一緒に見つけていきましょう。
文字を追うだけでは見えてこない背景などを、親が質問を投げかける形で引き出していきます。
そうすることで場面を絵や映像として頭の中で想像し、背景や要件を理解する力へとつなげていくのです。
答えにたどり着くまでの過程を重視する
文章題では解答を出すまでの過程や論理的思考に重きをおきましょう。
過程を大事にするためには、子どもと一緒にどのような解法や解答手順があるかを考えてもいいですね。
親の意見を出すことで視野を広げ、新たな考えを引き出せる可能性もあります。
また、解答の正誤よりも過程を大切にすることで、丁寧に解こうとする力も養えます。
実践的な練習を繰り返し提供する
実践的な練習の繰り返しも効果的です。
さまざまなタイプの文章題をこなしていくことで応用力も高まります。
プリントや問題集から、子どもが興味を引くような文章題を繰り返し提供しましょう。
ただ提供するのではなく、解答の過程を親子でしっかり共有し、間違えても理解を深められるようサポートしてあげてください。
【参考情報】理解を確かにする算数科学習指導の在り方
【関連記事】小学生の算数、成績UPのコツは?効果的な5つの復習方法を解説
算数の文章題に必要なスキルがあれば算数力もアップする!
算数の文章題を攻略するためには、問題文を正確に読み取る算数的な読解力や、式を立てる力・算数力で備わった計算力などが必要です。
計算問題を解くよりも手数が多いため、子どもたちにとって、算数の文章題は難しい、面倒くさいといった苦手意識を持ってしまうのでしょう。
しかし算数の文章題の攻略は、必要なスキルを養うことであっという間にコツが掴めます。
保護者がサポートしながら算数の文章題を攻略する流れやポイントを抑え、継続的に学習を重ねていきましょう。
その結果、文章題を解くためのスキルだけでなく、算数力そのものも向上していくはずです。
幼児教室ひまわりでは、お子さまの脳を鍛える具体的な方法や難関中学に合格するための勉強法などを、オンライン講座やメールマガジンで公開しています。
もっと深く学びたいという方は、ぜひ私たちのメールマガジンにご登録ください。
この記事を読まれた方にオススメのコラム