中学受験の算数を伸ばす勉強法3選!苦手分野の対処法も解説
執筆者:熊野貴文(幼児教室ひまわり塾長)
最終更新日 2023年05月31日
中学受験における算数は小学校で習った算数とは異なり、より高度な能力や対策が求められます。
苦手な人も多く、高得点を狙うためには効果的な勉強法や復習の仕方が必要不可欠です。
今回は、中学受験算数に関する勉強法や苦手克服のポイント、勉強時間の使い方、そして復習のやり方について解説していきます。
中学受験算数を勉強する前に知っておきたいポイントや、比・割合、図形、場合の数など苦手な人が多い問題の攻略法も紹介します。
中学受験を検討しており、算数の対策をしたいご家庭はぜひ参考にして下さい。
中学受験の算数と小学校で習う算数の違い
小学校で習う算数は、基本的に計算や図形などの基礎的な内容が中心ですが、中学受験の算数はそれに加えて複雑な問題が多く出題されます。
具体的には、つるかめ算や流水算、ニュートン算といった「特殊算」と呼ばれる文章問題など、難易度が高く複雑な問題が挙げられます。
中学受験の算数は、小学校で習う算数と比較すると、難易度が高く応用力が求められます。
また、出題される問題の多くは小学校の授業で教わりません。
したがって、中学受験を目指す方は小学校で習う基本的な内容に加え、中学受験に出題される難度の高い問題にも取り組む必要があります。
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中学受験における算数の勉強法
ここでは中学受験における算数の勉強法について、以下の3点を解説します。
・計算問題の正答率をあげる
・復習をしっかり行う
・苦手な問題は繰り返し解く
1つずつ解説いたします。
計算問題の正答率をあげる
1点目は基本的な計算問題の正答率をあげることです。
中学受験で出題される計算問題などの基礎的な問題は、多くの受験生が高い正答率を出してきます。
こうした基礎的な問題で失点してしまうと、他の受験生と差がつきやすく不合格になる確率も上がってしまうでしょう。
そのため、計算問題など基本的な問題は確実に点数を取る必要があります。
計算問題の正答率を上げるためには、まず基本的な計算能力を高めることが重要です。
例えば、九九の暗唱や四則演算の基礎をしっかりと身につけることで、計算スピードがアップし、回答後の見直しもスムーズにいきます。
また、計算ミスを防ぐためには途中式を残す癖をつけ、どこでミスしやすいかを都度確かめることもおすすめです。
その都度確認していけば、ミスの多い問題の傾向を把握でき、誤答する確率を減らせます。
復習をしっかり行う
2点目は復習をしっかり行うことです。
中学受験における算数の勉強では、復習が非常に重要です。
定期的に学習した内容を復習し自分の理解度を確認することで、学習内容が記憶に定着しやすくなります。
また、復習を行うことで自分が理解していない箇所や、苦手な分野を特定することも可能です。
時間を区切って復習を行い、定期的に自己評価を行いながら学習を進めることが大切です。
苦手な問題は繰り返し解く
3点目は苦手な問題を繰り返し解くことです。
苦手な問題に対しては解き方やポイントをしっかりと理解し、同様の問題を繰り返し解くことで正答率を上げられます。
苦手な問題であってもだんだんと問題が解けるようになれば、達成感が生まれ楽しいと思えるようになるでしょう。
苦手な問題で誤答した場合は、なぜ誤答したのかをしっかりと確認することも大切です。
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中学受験の算数で苦手な人が多い問題
中学受験の算数で苦手な人が多い問題として、以下の3つが挙げられます。
・比・割合
・図形
・特殊算
以下に、それぞれの問題と対策を紹介します。
比・割合
比・割合は、中学受験で頻繁に出題される問題の1つです。
苦手な人が多い理由は、計算ミスや問題の読み違いなどがあげられます。
そのため、比・割合の問題を解く際には計算を正確に行うことや、問題文をよく読み問題の意図を理解することが大切です。
また、比・割合の問題が苦手な場合は、その前段階で習う分数や少数に対して理解が乏しい可能性があります。
比・割合の問題でつまづく場合は、分数や少数の計算がちゃんとできるか確認し、復習した方が良いでしょう。
また、比・割合の問題を解く際は、面積図や線分図を書いて視覚的にわかりやすい形にすることも有効です。
難易度が高い問題では図にしないと解けないケースもあるため、問題を面積図や線分図で図式化する練習をしておくと良いでしょう。
図形
図形の問題は、見た目が複雑であるために苦手な人が多い問題の1つです。
特に中学受験で出題される図形問題はそのまま見ただけでは解けないケースも多く、適切な補助線を引いて解く必要があります。
そのため、受験問題で出題されやすい図形問題を数多く解き、解き方やパターンを習得することが大切です。
また、図形問題が苦手な子どもは、そもそも図形を書く習慣がないケースも多く見られます。
小学校の授業などで、普段から図形をフリーハンドで書く習慣を身につければ、図形問題への理解力や解くスピードも向上します。
特殊算
特殊算も多くの子どもが苦手とする問題の1つです。
特殊算とは方程式を利用せずに解く問題のことで、代表的なものに「つるかめ算」や「旅人算」などが挙げられます。
受験問題には「つるかめ算」などの表記がされていないため、問題文を理解しどの解き方を用いればいいか判断する能力が求められます。
したがって、特殊算が苦手な場合は、問題文を正確に理解する訓練が欠かせません。
問題集や過去問題を使って、問題文を正確に理解し解く作業を繰り返し行いましょう。
問題によって解法が異なるため、どの部分が理解できていないかをしっかり把握し、苦手な問題を潰す作業が必須です。
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中学受験における算数の勉強時間
中学受験における算数の勉強時間については、個人差が非常に大きく一概に「この時間がベストだ」と決められません。
しかし、定期的な学習時間を確保し、計画的に勉強することが重要です。
勉強時間に関しては1日に1時間程度から始め、徐々に増やしていくと良いでしょう。
また、集中力が切れてくる前に休憩を取ることも大切です。
休憩時間には、軽いストレッチや運動をすることで、リフレッシュして次の学習に取り組めます。
ただし、無理をして長時間勉強することは逆効果になり、かえって疲れを引き起こし成績の低下につながることがあります。
自分に合った勉強時間を見つけ、健康的な生活習慣を心がけることが重要です。
中学受験における算数の復習のやり方
中学受験における算数の復習は、学習の定着や弱点の克服に効果的です。
復習では主に以下2点を意識して臨みましょう。
・授業内容はすぐにノートを見直す
・模試を受けたらその日に解き直す
授業内容はすぐにノートを見直す
授業中に学んだ内容は、その日のうちにノートを見直すことが大切です。
ノートには、重要なポイントや自分なりのまとめをしっかりと書き込んでおきましょう。
その後、復習として問題集を解きながら、ノートを読み直して理解度を確認することが効果的です。
私自身も小学校や塾の授業後は、なるべくその日にノートを見返すようにしていました。
復習を習慣づけることで学習内容が頭に定着しやすくなり、特別な対策をしなくても学校のテストや模擬試験の成績が安定して高くなったのを覚えています。
また、復習することで自分がどこを理解できていなかったのかを明確にしやすく、苦手科目への対策も非常にやりやすかったです。
復習は効率的に学力を向上できるため、早いうちから習慣化しておきましょう。
模試を受けたらその日に解き直す
模試を受けたら、その日に解き直しましょう。
模試は実際の中学受験に近い形式で出題されるため、復習の効果がダイレクトに成績につながりやすいです。
間違えた問題はすぐに復習することで、正しく理解できるようになります。
また、模擬試験の結果から自分の苦手な分野を把握し、重点的に復習することで苦手分野の克服にもつながります。
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高度な計算や知識が求められる
中学受験の算数では小学校の算数とは違い、高度な計算や知識が求められます。
正答率を上げるためには、計算問題の正答率向上や苦手な問題を繰り返し解くことなどが重要です。
また、比・割合や図形、場合の数などの問題を苦手とする人が多く、適切な対策をとる必要があります。
復習では授業後すぐにノートを見直し、模試を受けたらその日に解き直すことが大切です。
これらのポイントを押さえながら、中学受験の算数に対して適切に対策し、志望校合格を目指しましょう。
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