地頭が悪いと医者になれない?医者になる条件・方法などを詳しく解説!
執筆者:熊野貴文(幼児教室ひまわり塾長)
最終更新日 2023年06月23日
医者になるには医学部に入学し国家資格を取得する必要がありますが、どの大学の医学部も入学難度が高いのが難点です。
受験勉強で高いレベルを求められるため、「子どもの地頭が悪いと医者になれないのでは?」と不安に感じる方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は「地頭が悪いと医者になれないのか」について、医者になる条件・方法とともに解説していきます。
将来子どもを医者の道に進ませたいものの、学校の成績が良くなく不安に感じている方はぜひ参考にしてください。
地頭が良くないと医者になれないのか?
現状、わが子の地頭が良くないと感じても、将来医者になることは可能です。
もちろん、医者になるためには医学部に合格する必要がありますが、医学部受験が差し掛かる高校までに必要な学力を備えておけば問題ありません。
現状の成績が良くなくても、やり方次第で志望大学の医学部入学に必要な学力を身につけられます。
そのため、地頭が良くないからと諦めず、医学部入学に必要な勉強を着実にこなしていきましょう。
医者になれない条件とは?
一方で、どんなに成績優秀で医学部入学を果たせたとしても、医師法で定められる以下の欠格事由に当てはまると医師免許をもらえません。
第3条 未成年者、成年被後見人又は被保佐人には、免許を与えない。
第4条 次の各号のいずれかに該当する者には、免許を与えないことがある。
1.心身の障害により医師の業務を適正に行うことができない者として厚生労働省令で定めるもの
2.麻薬、大麻又はあへんの中毒者
3.罰金以上の刑に処せられた者
4.前号に該当する者を除くほか、医事に関し犯罪又は不正の行為のあつた者
【引用】厚生労働省「医師法(抜粋)
心身の障害とは以下機能の障害を表し、医師の診断書を用いて判断されます。
・視覚
・聴覚
・音声機能
・言語機能
・精神機能
医者になる人の特徴
医者になる人の特徴として、以下の3つが挙げられます。
・向上心がある
・誠実である
・粘り強い
わが子が医者を目指す場合は、上記の素養を伸ばせるよう親がサポートしてあげることが大切です。
向上心がある
1つ目の特徴は向上心があることです。
医学は日々目覚ましく進歩しており、新しい治療法や薬剤が次々と開発されています。
患者さんに対してよりより治療を提供するためには、医者として仕事をスタートさせてからも継続した情報収集や学習が必要です。
内科や産婦人科など、どの診療科の医者でも求められることなので、新たな知識を吸収し続ける姿勢が仕事を続けるポイントとなります。
日々新しい分野に知見を広げ続ける向上心が、医者になる上で大切です。
誠実である
2つ目の特徴は、誠実であることです。
医者は手術など患者さんの治療を行うだけでなく、対話を通して不安な気持ちを解消することも大切です。
患者さんに安心感を持ってもらえる医者であるためには、患者さんと同じ目線に立てる誠実さが求められます。
近年は多くの医療機関でホスピタリティが重視される傾向です。
医者側目線だけの一方的な治療ではなく、患者さんと医者の双方が納得した治療を進めることが重視されています。
学力が高いだけでなく、人に対する誠実さも医者の仕事では重要です。
粘り強い
3つ目の特徴は、粘り強いことです。
医学は日々進歩していますが、現在でも原因不明の病気は数多く存在します。
特に研究医の場合、こうした原因不明の病気を長年研究し解き明かすことが仕事で、粘り強さが求められます。
大学などの研究機関で研究医として働く場合は、粘り強く1つのことに取り組み続けられる素養も重要です。
【参考情報】医療に求められる変化~患者満足を高めるために~
【関連記事】医者になるにはどうすれば良いのか?経験者が語る道筋のアドバイス
医者になるための方法
医者になるための方法として、以下の3ステップが挙げられます。
・医学部に入学
・国家試験を受験し医師免許を取得する
・臨床研修を行う
医者を目指す場合は、上記のステップを理解しておきましょう。
医学部に入学
医者になるためには、まず医学部に入学し卒業することが必要です。
医学部のある大学は全国各所に存在しますが、どの医学部も偏差値や倍率が高く、難易度が非常に高いと言えます。
現役合格できる場合もありますが、何年も浪人を繰り返して入学するパターンも珍しくありません。
そのため、医学部合格には学校の勉強だけでなく、予備校に通うなど多くの時間を勉強に費やすケースが多いです。
また、入学後も卒業や国家試験受験に向けて勉強し続ける必要があり、非常に長い期間目標に向けて走り続けることが求められます。
国家試験を受験し医師免許を取得する
医学部入学後は、国家試験を受験し医師免許を取得する必要があります。
国家試験の受験資格として医学部の卒業見込みであることが条件づけられており、大学での学業も疎かにできません。
医師免許の国家試験は合格率が9割程度とされており、医学部卒業者のほとんどが合格しているため「試験自体は簡単なのでは?」と思われる方も多いでしょう。
しかし、これは医学部生の高水準な学力の結果であり、医師免許の国家試験は難易度が非常に高く十分な対策が必要です。
【医師国家試験の詳細】
試験は2日間にわたり開催され、合格発表は例年3月中旬ごろです。
合格発表後に医師免許を交付申請することで、免許が発行されます。
臨床研修を行う
医師免許交付後は、臨床研修を行います。
具体的には初期研修医として病院で2年実務経験を積み、2年間で複数の診療科を経験する「スーパーローテート」方式を採用。
複数の診療科を経験することで、医師としての基本スキルや経験を習得していきます。
臨床研修を終えると医師として認められ、病院やクリニックで医師の活動に従事できます。
【参考情報】 厚生労働省 | 医師国家試験の施行について
【関連記事】子供を医者にするには、どんな教育が必要なのか?
医学部に入るためにはどんな勉強が必要?
医学部は理系学部であるため、基本的には数学や理科などの理系科目と英語が受験科目として設定されています。
ただし、国公立大学・私立大学のどちらを受験するかで受験科目が変わるため注意が必要です。
具体的には、それぞれ以下の受験科目が設けられています。
大きな違いは「共通テストがあるかないか」です。
共通テストとは大学入学志望者の基礎学力を図る目的のテストで、医学部に限らず国公立大学受験者は全員共通テストを受験する必要があります。
共通テストは全部で6教科30科目あり、そのうち5教科7科目の受験が求められます。
国公立大学医学部を受験する場合は、大学の本試験だけでなく共通テストの対策もする必要があり、勉強量も多くなるでしょう。
私も医学部入学を目指した頃は、国公立大学であったため常に勉強に追われていた記憶があります。
また、合格に必要な高い学力を備える必要があったため、非常に苦労したのを覚えています。
受験生時代に私が意識していたことは、「スケジュール管理」です。
入試までの時間は限られているため、合格に必要な勉強を明確にし、本番までにやるべきことを1週間単位や1日単位で設定していました。
こうして毎日やるべきことを明確にしておけば、モチベーションに左右されず迷うことなく勉強に取り組め、必要な学力を着実につけられます。
医学部受験は高校生になってからの話ですが、上記の習慣は小学校などの早い段階からでも活用できます。
「学校のテストで〇〇点とる」など目標を定め、やるべき勉強を洗い出し毎日取り組めば、自然と勉強する習慣が身につき、将来の中学受験〜大学受験でも効率的に学力を高められるでしょう。
本記事を読んでいる親御さんも、早い段階からお子さまに勉強する習慣を身につけさせましょう。
【参考情報】医学生のための自己主導型学習
【関連記事】医学部と医大の違い
早い段階から勉強する習慣を身につける
現状わが子の地頭が良くないと感じてお、医学部入学に必要な学力を身につけられれば、医者になることは十分可能です。
わが子の成績が悪く、「医者にさせたかったけれども難しいかも...」と悲観せず、早い段階から勉強する習慣を身につけさせましょう。
今回の内容を参考に、医学部合格を目指しましょう。
幼児教室ひまわりでは、お子さまの脳を鍛える具体的な方法や難関中学に合格するための勉強法などを、オンライン講座やメールマガジンで公開しています。
もっと深く学びたいという方は、ぜひ私たちのメールマガジンにご登録ください。
この記事を読まれた方にオススメのコラム