医者になるにはどうすれば良いのか?経験者が語る道筋のアドバイス
執筆者:熊野貴文(幼児教室ひまわり塾長)
最終更新日 2022年10月10日
ただ単に「子供を医者にしたい」と願っていても、実際にどのようにすれば医者になることができるかを知らなければ行動の起こしようがありません。
ですから、まずは「医者になるためには、どうすればよいのか?」という初歩的なことについて、実際に医者になった私がその方法をご紹介させていただきたいと思います。
医者になるまでの全体像(ルート)
まずは、医者になるための全体像(ルート)からお話します。
医者になるためには、次のようなルートに沿って進んでいきます。
大学の医学部または医大
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医師国家試験
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医師(研修医含む)
医者になるには、医師国家試験で合格する必要があります。
医師国家試験で合格すると、医師免許が取得できます。
医師国家試験に合格したら、その後は免許の更新などは必要なく、永遠に医者として働くことができます。(ただし、医師法で2年に1回厚生労働省に勤務先などを申告する必要があります)
そして、医師国家試験に受験するためには、大学の医学部または医大を卒業見込みが必要です。
つまり医者になるためには、大学の医学部または医大に合格することが必須条件となります。
医師国家試験は医学部卒業生の大半が合格しておりますので、まずは医学部に合格し、医学部できちんと学んでいけば、医者になることができます。
では、医学部に合格するためには、どのくらいの学力が必要になるのか?
医学部に合格するためには、どのくらいの学力が必要か?
医学部の人気は毎年高く、それにともない、年々難易度上がっているのが現実です。
国立大学医学部医学科の偏差値は65以上は必要になってくるでしょう。
【参考情報】国公立大学 医学部偏差値一覧
【参考情報】私立大学 医学部偏差値一覧
また、国立大学の医学部医学科はセンター試験で9割ほど取らなければなりません。
試験科目数が少ない私立大学と比べると、総合的な学力の高さが求められます。
大学受験時にこのような高い学力を身につけるためには、逆算すると、中学受験で難関中学校に合格することが1つの目標になります。
そして、難関中学に合格するためには、小学校3年生くらいから進学塾に通うようになります。
このように、将来医学部を狙う場合は、そこから逆算して、何歳までにどのくらいの学力を身につけなければいけないか?ということをイメージしながら、今できることを全力で取り組むようにしましょう。
医学部に通うためには、どのくらいの学費が必要か?
親御さんにとっては、医学部に合格するための学力だけでなく、医学部に通うための学費も気になるところだと思います。
ただ、国公立大学の学費は全学部同額なので、医学部の6年間の学費総額は約350万円とお得感があります。
「お金持ちでなければ医学部にいけないのでは?」と思われる方もいらっしゃいますが、そんなこともありません。
世帯年収600万円程度の一般家庭から、学費の安い国公立大医学部に通うことは十分現実的と言えるのです。
【参考情報】 私立大医学部学費 (ランキング) 入学金 授業料
【参考情報】国公立大学 医学部学費一覧 —入学金・授業料
医学部の6年間で何を学ぶのか?
それでは次に、医学部の6年間で学ぶことについて、解説します。
大学は一般的には4年間で卒業ですが、医学部や医大は卒業するまでは6年間が必要です。
ではその6年間でどのようなことを学ぶのか?大きく次の3つの段階があります。
1.最初の1年半:
この時期は、「一般教養期間」となります。
他の学部の生徒さんと一緒に英語やドイツ語、数学、生物学などを学びます。
大学2回生の後半から、専門分野の教育が始まります。
2.大学2回生後半〜大学4回生の前半まで:
この時期は、「基礎医学」という分野を学びます。
生化学、薬理学や解剖学、組織学など、本格的な医学を理解するための基本となる分野です。
この期間に、「人体解剖実習」も行われます。
検体と呼ばれるホルマリン漬けの死体を解剖し、人間の内臓や神経、筋肉などの構造について学習します。
3.大学4回生の後半から卒業まで:
この時期は、「臨床医学」を学びます。
臨床医学は「内科」「外科」「小児科」「整形外科」など、各科ごとの診療をベースに、その病気や治療などについて学習します。
この時期は、病院にインターン生として配属され、診療の現場での実習もあります。
患者さんとの人間関係についても学びます。
この6年間を経て学生時代は終了です。
卒業する年には、「医師国家試験」を受験し、合格すれば晴れて医師となることができます。
医学部に入っても、挫折した人もいます!
ちなみに、余談になりますが、私の大阪大学医学部の同級生は90人いるのですが、そのうち2名が途中で医学部を辞めました。
一人は入学した時点ですでに46歳の人でした。
その人は、大学4年生の時に、急に学校に来なくなってしまいました。
連絡も取れなくなって、一体何が起こったのかわかりません。
あと一人は、私の高校からの同級生です。
その彼は、途中で医学部の勉強が嫌になってしまったようです。
きっと人生の中で、他の生きがいを見つけたのだと思います。
それから、同級生のうち2人が留年し、下の学年に落ちました。
彼らは翌年に医師国家試験に合格し、現在は医者として働いています。
このような事実を考えると、「医者になるには医学部に入ると100%絶対安心」とは言い切れないかもしれません。
ですから、医学部に入ってからも、お子さんの心の状況をしっかりと見てあげる必要があると思います。
20歳を超えると、親が干渉されることを嫌がると思いますが、このような事実に関して認識しておくことは非常に重要だと思います。
また、医者を目指すためには大学受験のときに将来を決意する必要があります。
もちろん大学受験の準備期間も必要ですから、実際のところは高校1年生から2年生までには医者という夢を決意する必要があると言えます。
日本の大学生のほとんどは、大学に行ってから自分の将来の進路や職業を決めると言います。
大学を卒業する直前に就職活動する現状を見ていると、大学卒業のときに、初めて自分の仕事を決めているのが現実だと言えます。
そういう意味では、「医者になる」ことを決意する子供は、かなり早い段階で自分の職業を決める必要があります。
こういう点からも、幼少期から医者という仕事に関して、親子でしっかりと話し合っていく必要があると言えます。
【参考情報】大学医学部学生の留年・休退学の特徴
医学部を狙えるくらいの学力を早い段階から身につけておく
医者になるためには、一般的には学費面を考慮して、大学の医学部を目指す方が多いと思います。
そのためには、高い学力が必要になります。
そして、高い学力を身につけるためには、早い段階から学習を習慣化させておくことをお勧めしています。
子供が、中学生や高校生になり、将来を真剣に考えるようになった時、高い学力がなければ、「医者」という選択ができない可能性もあります。
医者になりたいと思っても、目指せるだけの高い学力が備わっていなければ、最悪、夢を諦めることになってしまいます。
ですので、子供の夢が明確になった時、その夢を叶えることができるように、諦めないように、早い段階から学力を身につけさせておくようにしましょう。
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