子どもの教育資金はいつまでにいくら必要?大学進学までの貯蓄のポイント
執筆者:熊野貴文(幼児教室ひまわり塾長)
最終更新日 2023年06月26日
わが子の将来について考えるとき、切っても切り離せないことといえば教育資金の問題。
しかし、教育資金がいくら必要になるかがわからず不安を感じるご家庭も少なくないでしょう。
人生において、大きな出費が必要となる「人生の三大資金」のひとつに含まれる教育資金。
こちらのページでは、子どもにかかる教育資金がいくらかかるか、いつまでにいくら貯めればいいか、貯め方についてのポイントなどを詳しく解説します。
大学進学までに必要な子どもの教育資金はズバリ……!
大学進学までにおける、子ども1人あたりに必要となる教育資金はいくら必要なのか。
目安となる総額はおよそ1,000万円以上にもなると言われています。
しかし、目安となる金額は子どもの進学先によって大きく変動します。
国公立・私立のどちらに進学するのか、大学での専攻が理系か文系かなどで、必要となる教育資金が変わってくるのです。
場合によっては2,000万円〜2,500万円にも及ぶ可能性も出てきます。
文部科学省「平成30年度子どもの学習費調査」や、日本政策金融公庫「令和2年度教育費負担の実態調査結果」によるデータから、進学パターン別に発生する子どもの教育費をシミュレーションしてみましょう。
まずは小学校〜高校卒業までのパターン。
すべて公立:4,760,994円
中高私立:9,102,211円
高校のみ私:6,293,152円
すべて私立:16,713,547円
次に大学でのパターン。
国公立:5,370,000円
私立大学文系:7,035,000円
私立大学理系:8,630,000円
大学の場合は国公立か私立にするかで教育費に差が出るだけでなく、私立大学でも文系か理系、学部などによって発生する教育費にも大きな差が生まれます。
ただし、大学では奨学金の利用が認められるケースもあるため、ここで紹介している総額よりも金額を抑えられる可能性もあるようです。
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教育費をかけすぎない工夫もできる
上記で紹介した教育費のなかには、学校で必要になる給食費や、学校外で発生する塾や習い事などの月謝も含まれています。
このような点から、学校外で発生する教育費を抑えることで、子どもの教育費をかけすぎない工夫も可能です。
高校無償化や大学の奨学金の注意点
授業料無償化となる「高等学校等就学支援金制度」や、地方自治体の支援制度。
大学で利用できる給付型奨学金や貸与型奨学金。
これらを使えば、教育資金の負担は格段に抑えられることでしょう。
しかしすべてのご家庭が利用できるわけではなく、世帯収入や学力など、定められた条件がクリアできなければ利用できません。
また、子どもが学校で教育を受けるための費用がすべて無料になるわけではなく、無償化や奨学金の対象となる多くは「授業料のみ」です。
教育を受けるにあたって必要となる教科書代や補助学習費、クラブ活動で発生する部費や雑費。
塾や習い事の月謝などは、すべて各ご家庭で負担しなければならないのです。
子どもの教育資金、いつまでにいくら貯める?
かなりの高額となる子どもの教育費。必要となる教育資金はいつまでにいくら貯めておけばいいのでしょう。
シミュレーションで出た金額すべてを貯める必要はない
子ども1人あたりの小学校から大学までの教育資金は、かなりの高額となります。
そのため、教育資金を十分貯めておけるかどうか不安に感じる保護者の方も出てくるでしょう。
しかし、ここで紹介している教育費はあくまでも総額で、一度に支払う金額ではありません。
つまり、教育費の支払いが発生するまでに、教育資金を準備しておけばいいのです。
教育資金を貯めはじめる時期は早ければ早い方がいい
教育資金を貯めはじめるタイミングは、早ければ早いほうがいいでしょう。
すべて公立で小学校〜高校までに必要になる金額476万円を、5年(60カ月)で貯めれば月額はおよそ8万円程度。
しかし10年(120カ月)で貯めれば約4万円程度になります。
このように早いうちに教育資金を貯めはじめることは、毎月の貯金額を抑えられたり、余裕を持って教育資金の準備ができたりといいことづくめなのです。
目標は大学進学までに500万円
大学進学時までの目標金額は、300〜500万円程度を目安にしてください。
大学進学時に500万円あるように教育資金を貯めていれば、私立短大や国公立など、どのような進路を選んでもある程度はフレキシブルに対応できるでしょう。
まとまった教育資金が必要になる大学進学ですが、4年分の授業料を一括で払うことはありません。
そこでひとまず1〜2回生までに必要になる入学金と授業料を蓄えておき、3〜4回生で必要になる金額は、入学後1〜2年で準備するといいでしょう。
【参考情報】子どもの減少と相反する 一人あたり教育費の増加
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子どもの教育資金はどのように貯める?
子どもの教育資金の貯め方としては、以下の3つの方法がオススメです。
・児童手当を貯める
・お年玉やお祝いで頂いたお金はすべて貯金
・つみたてNISAなどを利用し複利運用する
1つずつ解説しますね。
児童手当を貯める
0歳1カ月〜15歳になる誕生日後の最初の3月31日まで、子ども1人につき月額1万〜1万5千円が支給される児童手当。
児童手当の総額は約200万円となるので、かなりの蓄えとなるでしょう。
お年玉やお祝いで頂いたお金はすべて貯金
お年玉やお祝いなどでいただいたお金をすべて貯金しておくだけでも、まとまった金額になります。
金額の多い少ないは関係なく、もらったお金なので、最初からないものと考えれば、教育資金として貯金しやすくなりそうです。
つみたてNISAなどを利用し複利運用する
ローリスクローリターンになりますが、元本割れのリスクを最小限にするには、積立定期預金や財産形成貯蓄制度(財形)がオススメです。
学資保険なども条件があえば検討してもいいでしょう。
しかし、つみたてNISAのような投資信託を利用し複利運用することで、リスクはあるもののリターンが期待できる貯め方もあります。
教育資金には貯め時がある
家計を切り盛りしながら1,000万以上の教育資金を貯めることは難しいかもしれません。
そこで注目してほしいのは、子育て中の貯め時のタイミングです。
当当教室の講師たちがみなおっしゃていることは、教育資金には貯め時があるということです。
たとえば大平先生は、はじめから中学受験を視野に入れていたので、中学受験の進学塾に通い始める頃までが、一つの貯め時の時期としていました。
未就学〜小学校中学年頃、10歳ごろまでの出費が少ないタイミングに、できるだけ多くの教育資金を貯められるように計画を立てておいたとのことです。
ただ、あまりにも節約を意識し過ぎると、メンタル的にもしんどくなってしまいますので、大平先生は、「節約」「投資」「消費」を自分の中で区分けして考えていたそうです。
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教育資金を計画的に蓄えておこう
教育資金をいつまでにいくら貯めればいいのかについては、まずは大学進学をゴールにしてみてください。
ご家庭に即した貯め方で、大学進学までに300万〜500万円の教育資金を蓄えられるよう頑張ってください。
途中、進路変更などから教育資金の準備の軌道修正が必要な事も出てくるでしょう。
最適な貯金・貯蓄の方法は、ライフスタイルや家庭環境、所得などによって異なります。
どうすればいいか迷ったときは、FPなどのお金の専門家などに相談してみてもいいでしょう。
わが子の希望する進路を歩ませてやれるよう、しっかりと教育資金を蓄えておいてください。
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