小学生の作文を上手にする5つのコツ
執筆者:熊野貴文(幼児教室ひまわり塾長)
最終更新日 2023年07月30日
小学校では、学校の授業や宿題の一環として作文を書くことが多くあります。
しかし、初めて文章を書くとなると苦手意識をもつお子さまも多く、作文が嫌いになってしまうケースも多くあります。
実際に、お子さまが作文が苦手でなかなか上達しないと悩んでいる方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は小学生の作文を上手にする5つのコツをおすすめの練習方法とともに紹介していきます。
小学生のお子さまが作文が苦手で悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。
【参考情報】我が国における作文教育の問題点
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作文は日記や感想文とどう違う?
作文と似た作業で日記や感想文がありますが、これらの違いについてまず解説していきます。
日記
日記とは、その日に起きた出来事や自分が1日過ごした様子などを記載したものです。
日記を書くことで、その日あった出来事などを振り返ることができます。
作文
作文とは、決められたテーマに対して自分の考えを含めて文章化したもののことを指します。
読み手に対して、自分の考えや意見を伝えることを目的とした文章です。
感想文
感想文とは、その名の通り自分の感想を記した文章のことです。
代表的な例は読書感想文で、本を読んで自分が感じたことを文章化していきます。
【参考情報】日記、読書感想文のこと
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作文を読みやする構成の作り方
ここでは、作文を読みやすくする構成の作り方について解説していきます。
読み手にわかりやすく自分の考えを伝えるためには、構成を作り文章を書くことが重要です。
具体的には以下の3つの構成から作文を書いていきます。
- 「はじめ」
- 「なか」
- 「おわり」
1つずつ解説してきますね。
「はじめ」
「はじめ」の部分では、自分が作文を通して読み手に伝えたいことを書きます。
コツとしては、自分が作文で書いていく内容を簡単にまとめたものを作り、その内容を1つに絞って書くようにすることです。
例えば、以下の文のように一言でまとめられると良いでしょう。
・遠足に行ってたくさん友達ができました。
この「はじめ」の部分で伝えたいことを複数書いてしまうと、読み手に伝えたいことがわかりにくくなり、読みづらい文章となってしまいます。
「なか」
「なか」の部分では、作文の具体的な中身について書いていきます。
コツとしては、出来事が起きた順番で書いていくとわかりやすくなります。
内容的には、自分の気持ちを具体的に書いた方が良いでしょう。
起きた出来事だけを淡々と書いてしまうと、味気のない文章となってしまい、読み手を惹きつけることが難しくなってしまいます。
例えば、「遠足でやったゲームが難しかったけれど、友達が助けてくれた」という出来事があったら、子供の気持ちを入れ込んで、「一緒にゲームをやれて楽しかった」というような一文も加えて見ると良いでしょう。
そして、「なか」の部分が分量として多くなる場合や書くことが複数ある場合、適宜「なか1」「なか2」というように段落を増やしていきましょう。
話題ごとに段落を切ることで、読み手に内容をわかりやすく伝えることができます。
「おわり」
「おわり」の部分では、「なか」で書いた出来事に対して、自分が感じたことを書いていきます。
ポイントとしては、「はじめ」と同様に伝えたいことを1つに絞ることです。
伝えたいことが複数出た場合でも、その中から特に伝えたいことだけを1つ記載しましょう。
【参考情報】基本となる文章構成に着目した論理的文章の指導
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作文を上手に書く5つのコツ
ここでは、実際に作文を上手に書くコツを5つのコツを紹介していきます。
具体的には以下の5つが挙げられます。
- テーマを決める
- 文体を統一する
- 書き出しを工夫する
- 表現方法を変える
- 結論は簡潔にする
1つずつ解説していきます。
テーマを決める
まずは、作文のテーマを決めてから書き出しましょう。
テーマを決める理由は、テーマが決まっていないと書くべき方向性が定まらないため、作文が書きにくくなってしまうからです。
作文では大まかなテーマが指定されますが、その中で「自分が何を伝えたいのか」や「何を相手にわかってもらいたいのか」という部分がテーマとなります。
書きたい内容は本人にしかわかりません。
そのため、他人にわかってもらうためにも期待内容は整理する必要があります。
具体的な内容の関係性を図で示したり、起きた出来事順に箇条書きにするなどでわかりやすくなります。
文体を統一する
文体を統一することも作文を上手にする重要なコツです。
例えば、以下の文章を読んでみましょう。
・遠足で友達がたくさんできました。とても楽しかった。また今度も遠足にいきたいと思っています。友達もたくさん作りたい。
上記の文章では、「です・ます調」と「ある・である調」が混ざっているため、リズムが悪く、読みにくい文章となっています。
先ほどの文章を「です・ます調」で統一すると以下の通りとなります。
・遠足で友達がたくさんできました。とても楽しかったです。また今度も遠足にいきたいと思っています。友達もたくさん作りたいです。
上記の文章では、文体が統一されているため、文章としても読みやすく、読み手にも内容が伝わりやすくなります。
書き出しを工夫する
作文を上手にするために、書き出しを工夫しましょう。
上手な作文を書く人は、書き出しを工夫し、読み手を引き込んでどんどん読み進ませることに長けています。
書き出しをよくするコツとしては以下の2点が挙げられます。
・「私は」や「僕は」を連続で使用しない
・不要な接続詞は使用しない
「私は」や「僕は」が全ての文章で出てくると、出だしが単調となり、読み手に飽きられてしまいます。
さらに、接続詞を不必要に多用すると、文章の読み進めるリズムが悪くなってしまうため、文脈から推測できるものはなるべく省くようにしましょう。
表現方法を変える
表現方法を変えることも非常に重要です。
同じ単語や表現が連続して使われてしまうと文章が単調となってしまいます。
そのため、文章の語尾を変えるだけでも読み手のリズムを変化させることが可能です。
文章中の単語や表現を増やしたい場合は、市販されているワークシートなどを活用しましょう。
結論は簡潔にする
作文中で述べたい結論は簡潔にしましょう。
「はじめ」や「おわり」の部分で述べる結論がダラダラと長くなってしまうと、読み手に対して何を伝えたいのかが分かりにくくなってしまいます。
そして、結論は作文全体で決めたテーマに沿って伝えることで、読み手に伝わりやすくなります。
【参考情報】作文を書く6つの手順
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作文を上手にするおすすめの練習方法
ここでは、作文を上手にするおすすめの練習方法について解説します。
具体的には以下の練習方法が挙げられます。
- 日記を書く
- 作文の練習用ドリルなど教材を活用
日記を書く
日記を定期的に書くことで、作文に必要な力をあげることができます。
文章を上手く書くためには、知識も必要ですが、実際に書くことも重要です。
文章を書く練習に最適なのが、日記を書くことといえます。
日記は作文ほど長く書く必要もないため、そこまで時間をかけずに取り組むことも可能です。
日記を書く際には、テーマを決め、構成を考えるなど作文と同様の形式で書くことで、作文の良い練習となり、自然と表現も豊かになっていきます。
作文の練習用ドリルなど教材を活用
日記だけだと飽きてしまう方は、作文用の練習ドリルを活用してみても良いでしょう。
練習ドリルには、作文を上手にする考え方やヒントなどが盛り込まれており、取り組みやすくする工夫がされています。
さらに、ドリルにはあらかじめテーマが設定されているので、楽しく作文に取り組むことも可能です。
作文のテーマを考えるのはなかなか大変な作業でもあるため、文章の上達に集中したい方は練習ドリルを活用することをおすすめします。
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読み手に対していかにわかりやすい文章にするか?
作文を上手にするためには、構成を作り、表現方法を多彩にするなど、読み手に対していかにわかりやすい文章にするかが重要となります。
今回紹介したコツや練習方法を参考に、お子さんの作文を上達させましょう。
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