中学受験の国語の効率の良い勉強法
執筆者:熊野貴文(幼児教室ひまわり塾長)
最終更新日 2022年10月16日
中学受験において国語は、算数同様、テストの配点も高く、重要な科目と言えます。
ただ、国語に苦手意識を持っている子どもも多いです。
「わが子の国語の成績が上がらない」と悩まれている親御さんも多いと思います。
そこでこちらのページでは、中学受験の国語の勉強法について、注意点も交えながら解説していきます。
国語が苦手な子どもの特徴
国語が苦手な子どもの特徴として挙げられるのが、以下の2点となります。
・文章を読むのが苦手である
・話をするのが苦手である
文章を読むのが苦手である
国語が苦手な子の特徴として「文章を読むのが苦手である」という点が挙げられます。
国語が苦手な子は、本や新聞などをあまり読まないため、活字自体に触れる機会が少なくなります。
活字にふれる機会が少なくなれば、必然的に文章を読む力も養われないため、国語の問題を解くのに必要な力も養われません。
子どもが活字に触れる機会が少なくなることは、親御さんの影響も考えられます。
例えば、親御さん自身があまり本を読まなかったり、子供の読む本を否定したりすると、子どもも活字に触れる機会がすくなっていきます。
話をするのが苦手である
話をするのが苦手な子も、国語が苦手な傾向があります。
話をよくする子は、自分の言いたい事をきちんと整理できる能力があるため、相手に自分の意志をしっかり伝えることができます。
話をよくする子は、文章をまとめる力も高いため、自然と国語に必要な能力も身についてきます。
【参考情報】「読解力」育成に関する研究
近年の中学受験国語の傾向
最近の中学受験入試の傾向は、問題文の分量が多い傾向にあります。
大量の文章を時間内に理解しながら読んだ上で、問題に解答する必要があるため、
活字に抵抗がないことはもちろん、内容をきちんと理解した上で、問題を解いていく必要があります。
重要な能力は、「自分で考え、文章化する能力」
近年では、思考力を問う傾向の問題が中学入試の国語に増えてきています。
たとえば以前までは、文章中の言葉を用いて答える形式の記述問題が一般的でしたが、
最近では、「文章を読んで自分の考えを書く」という、思考力を問う形式の問題が増えてきています。
こうした思考力を問われる問題が増えた背景は、教育改革によって学習指導要領が新しくなったことなどが挙げられます。
教育改革については、文部科学省のホームページで詳しく解説しています。
【参考情報】文部科学省ホームページ:教育改革について
入試問題の国語も変化している
思考力を問われる問題として、中学受験の国語の入試問題では、
グラフの読み取りや図表の読み取りなどの問題も増えてきています。
中には、計算問題が出るケースもあります。
いろいろなパターンの問題が出るようになってきています。
また、
「文中の記述を参考に新しいお店を開く場合、どのようなお店を展開していくのがいいと考えるか」
などのマーケティングのような問題や、
「本文の続きを考え書きなさい」
というような発想力を問う問題も出題されるケースが報告されています。
このような、現在の国語における傾向をしっかりと把握し、準備をしていく必要があります。
では、どのように勉強をすれば良いのか?
国語の勉強法について解説していきます。
中学受験に向けた国語の勉強法
具体的には次の3つの方法が効果的です。
1.文章の内容を理解する訓練をする
2.苦手分野を把握し克服する
3.漢字の学習は毎日継続する
一つずつ解説していきます。
1.文章の内容を理解する訓練をする
中学受験の国語において、文章の内容を理解する能力は非常に重要となります。
たとえ高い思考力があったとしても、そもそもの文章の内容を理解していなければ、的の外れた解答をしてしまいます。
文章の内容を理解するための訓練として、まず1つが「音読」です。
特に勉強の最初のころは、お子さまが音読するところを、親御さんがきちんと確認しましょう。
読んでいる中で、お子さまがつまずいたり、上手く読めなかったりした部分が、「理解できていないところ」と言えます。
どんなに小さなところでも、一つずつ丁寧に教えていくことで、文章や表現の理解ができるようになっていきます。
そして、もう一つおすすめなのが、「要約」です。
小学校中学年以降くらいから要約のトレーニングをすると、
短い時間で文章の内容をすばやく理解できるようになります。
はじめは上手く要約できなくても、回数をこなしていくうちに、
コツを掴んでできるようになります。
そのためにも、塾の講師の方に添削してもらうことをおすすめします。
添削を繰り返していくと、要約の能力は上がり、文章の理解力もアップしていきます。
2.苦手分野を把握し克服する
学力の底力を上げるためには、苦手分野の克服は必須です。
苦手が少なく、まんべんなく知識がある状態であれば、いろいろな知識を組み合わせて考えることができるようになります。
思考力も上がっていきます。
国語の場合は、文章のジャンルによって得意不得意が分かれる傾向があるため、
苦手な箇所やジャンルを把握し、苦手な部分に集中して勉強に取り組みましょう。
国語に関しては、主に以下のジャンルにを分けて、得意不得意を把握することをおすすめします。
・漢字の書き取りや読み取り
・問題文の内容理解力
・文学史問題
・文法問題
上記に加え、正答率の高い問題を取りこぼしていたり、
他の子と比べて目立ってできない部分などは、随時確認をしておきましょう。
ただ、この「苦手の克服」は、小学生のお子さま1人ですべて行うのは、とても難しいと思います。
苦手な問題を取り組むのは、やはり億劫になってしまいますし、
そのまま「国語が嫌い」「勉強が嫌い」という状態になる可能性もあります。
ですので、できるだけ親御さんが苦手分野の分析をしてあげたり、
お子さまのテンションを上げたり、楽しませたりなど、環境を作っていく必要があります。
3.漢字の学習は毎日継続する
国語の中でも、漢字や文法の学習は毎日継続することをおすすめします。
これは暗記分野になります。
短い時間で良いので、確認する回数を増やし、脳に定着させるようにします。
特に文法に関しては、敬語の種類や紛らわしい品詞といった、
難易度が高めの問題が出題される傾向にあります。
曖昧なまま勉強を進めてしまうと、入試で必ずつまづくポイントとなるため、
丁寧に理解しながら学習を進めましょう。
敬語はつまずきやすい部分となるため、敬語で話す機会を作ってあげるなど、
お子さまの学習に協力をしてあげるのも良いと思います。
正しい問題の解き方やテクニックを習得する
以上、こちらのページでは、中学受験の国語の効率の良い勉強法をご紹介しました。
中学受験の国語は、正しい問題の解き方やテクニックを習得することで、成績を向上させることができます。
最近では、思考力を問われる問題も増えてきているため、
日頃から文章を読み、自分の考えを文章化する訓練をしておくと受験にも役立ちます。
そのためにも、今回お伝えした、以下3つを意識してみると良いでしょう。
1.文章の内容を理解する訓練をする
2.苦手分野を把握し克服する
3.漢字の学習は毎日継続する
ぜひ、実践してみてください。
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