幼児期にオススメの教材について
執筆者:熊野貴文(幼児教室ひまわり塾長)
最終更新日 2022年10月02日
わが子を賢く育てるために、幼児期にどのような教材を選べばよいのか?
悩まれる親御さんが多いと思います。
そこでこちらのページでは、幼児教室ひまわり塾長として、これまで1万人以上の保護者を指導してきた経験から、幼児期の教材の選び方や活用方法をご紹介します。
幼児期にどんな教材を使えばよいのか、教材選びにに関しての質問はとても多いです。
お一人の保護者の方から届いた質問を例に、お話をすすめていきましょう。
お子さんの問題集など、教材選びに迷っておられる方からのご質問ですね。
■ 中川さまからのご質問
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熊野先生
宮城県の中川と申します。
2歳、4歳、6歳の3児の母です。
先生のメルマガのなかでは、
「小学校3年生くらいまでは、
公文式がおすすめ」
とご紹介されていますが、
田舎に住んでいることもありまして、
近くに公文式の教室がありません。
何か自宅で取り組める教材があれば、
子供にやらせてみたいです。
幼児にオススメの教材があれば、
ぜひ教えてください。
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「幼児にオススメの教材を教えて欲しい」というご質問です。
教材選びに関するご質問は大変多いですから、
このページで記事としてご紹介させていただきたいと思います。
なお、このページでお話する教材の話は、幼児期だけに限りません。
小学生、中学生、高校生になっても役立つ内容をお伝えしますので、
ぜひ参考にしてみてください。
まずは幼児期の話から触れましょう。
【参考情報】幼児期の親の関わりと子どもの行動
幼児期に最高の教材とは?
最初に大切なことをお伝えします。
幼児期に勉強をさせる目的とは、どういうことにあるでしょうか?
・計算が早くなること
・漢字を書けるようになること
・ひらがなを覚えること
・手先が器用になること
私が初めてお会いする方にお聞きすると、こんな答えが返ってきます。
もちろんこれらは大切な要素ですが、本質ではありません。
幼児期に勉強する目的は1つです。
それは・・・「頭の回転を良くする」ということに尽きます。
それでは、「頭の回転を良くする」ためにはどうすれば良いのでしょうか。
そのために考えるべきことは、
1.どんな教材で学ばせるか
2.親がそれをどう活用するか
という2点です。
そして、1の「どんな教材で学ばせるか」ということよりも、
2の「親がそれをどう活用するか」の方がはるかに大切だと言えます。
たしかに本屋さんなどにも、優れた教材がたくさんあります。
「こぐま会や七田式の知育ドリル」「ハイレベ100の各種教材」などは、4歳~7歳の子に向けて上手に作られています。
中学受験の基礎となるような、幅広い力を培えますからね。
でもどんなに優れた教材であっても、「これをやっておきなさい」と子供に丸投げにしていては、効果を期待することはできません。
「この教材から何を学ばせるか」ということを親が意識して、適切に働きかけることが大切です。
逆に積み木遊びをしていたとしても、親が正しく働きかけてあげれば、子供の頭の回転が良くなります。
たとえば、以下のような方法です。
例1:
「これは三角形と言うんだよ。2つ合わせると、四角になるね」
→この働きかけを通じて、図形の概念を知ることができます。
例2:
「途中で崩れないように、天井まで積み上げてみようか」
→バランスや重心という理科の概念を体で体感することができます。
例3:
「積み木で車を作ってみようか」
→創造力を培うことができます。
このように、単なる積み木であっても親が正しく働きかけてあげると、貴重な教材になっていきます。
実体験を通じて、楽しみながら学ぶことができますので、ドリルよりも大きな効果が出るかもしれないですね。
こういう例を見ていただくと、「教材が何かよりも、それをどう使っていくかの方が大切」だと感じていただくことができると思います。
大切なのは目的を持つこと
さて、幼児期の勉強の効果を最大限に得るためには、「教材を使う目的を持つ」ということが大切です。
問題を解かせる時にも、
・この問題を解かせることで「昆虫とは何か」を教えてあげたい
・今週は10問の問題を通じて、空間把握能力を高めたい
このように主体的な目的を持って、子供の教材を用意します。
たとえば、立体がテーマであれば、問題集を解かせると同時に補助教材として積み木を用意します。
問題集のなかでは目で見ることしかできないものですが、積み木を一緒に使うことでそれを体感することができます。
また、数字がテーマであれば、問題集と一緒におはじきを用意し、数えながら勉強していきます。
数と言う概念を手で触りながら、学ぶことができますからね。
子供の好きな色のおはじきであれば、楽しみながら学べるのでなお効果的だと思います。
「今日はこれを学ばせたいな」「教材を通して、ここを教えたい」という目的意識が明らかになれば、教材と向き合うときの姿勢も大きく変わってくるわけですね。
また、目的が明らかになれば、それに応じた適切な教材を選べます。
「今週は三角形を教えたいから、教材Aの32ページと33ページと教材Bの7ページと積み木と折り紙を使ってみよう」
というような感じで、自分で教材を組み合わせることもできるようになるのです。
目的意識を持って教材に取り組むのと、漠然と教材を消化するのでは、その成果に大きな違いが出るのです。
最後に、ここまでお伝えした話をもとに、将来のお勉強の話をします。
私の勉強は年間100冊の読書
簡単なクイズがあります。
日本人の成人の年間の読書量は、平均何冊くらいだと思いますか?
(マンガや雑誌は入れません)
…
答えは、年間12冊だそうです。
これを多いと思われるか、少ないと思われるかは分かりませんが私はかなり少ないと思います。
「みんな本を読んでいないな」という印象を受けます。
私は年間に100冊以上の本を読んでいると思います。
別にずっと暇なわけでなく、教室の運営やメルマガ執筆など結構忙しくしていますので、1日10時間以上働いています。
おそらく読書に充てられる時間は、1日30分もないと思います。
この限られた時間で、年間100冊の本を読みます。
結構ボリュームのある本も読むので、このペースはかなり速いと思います。
早い場合であれば、200ページくらいの本を1冊20分くらいで読み終えます。
電車に3駅くらい乗っている間に1冊を読み終えることもあります。
これほど早く読めるので、あらゆる情報を一気に学べます。
実は、私が本を早く読めるのには秘密があります。
その秘密というのは…「自分が知りたい部分だけを読む」ということです。
逆にいえば自分が興味が無い部分は全て読み飛ばしてしまいます。
たとえば、「児童心理学」の本を購入したとします。
この本の中で自分が興味のある部分が「親の発言が子供の心にどういう影響を与えるか」ということだとします。
普通の人であれば、第1章から順に読み始めていきます。
これに対して私の場合は、まず目次の箇所に目を通し、「親の発言」「親の言葉」というフレーズを探し出します。
そして、目的のテーマについて書かれている部分を読み進めます。
これで目的の8割は完了です。
次に、本文をざっと斜め読みして、同じようなフレーズを探します。
気になる部分があれば周囲を精読し、理解を深めていきます。
このような流れで読むことで、1冊を数分~約2時間で読破します。
私のなかではこれで十分なのです。
なぜなら、私がその本を読む目的が「親の発言が子供の心にどういう影響を与えるかを学ぶ」ということだからですね。
この読書法を繰り返すと、すごい速さで知恵を習得できます。
ちなみに、世の中に出回ってる速読のノウハウはここがベースになっています。
話題になっているフォトリーディングとかも、「自分が読書を読む目的がどこにあるのか?」を明確にすることが最初のステップになっています。
ここでは本を例に出しましたが、普通の教材や問題集でも同じです。
私は中学校時代、高校時代と、このようなやり方で問題集を解き、効率良く学力をつけてきました。
問題集を解く際にも、「二次関数の面積について学ぶ」「水に溶ける化合物の特徴を知る」など、目的を決めて、それに合った教材を選んできました。
必要な問題だけを解くことで、早く習得することができますからね。
目的を持って教材を活用する
それでは、最後にまとめておきます。
お子さんが幼児期の場合はもちろん、小学生、中学生、高校生の場合でも「目的を持って教材を活用する」ということは非常に重要です。
目的意識がある場合とない場合は、ずいぶん結果が違ってきます。
お子さんの教材にこだわるのも重要なことだと思いますが、教材を上手に活用するということも忘れないでください。
このページでは幼児期の教材を始め、「教材選び」というテーマについてお伝えしてきましたが、幼児教室ひまわりでは、お子さまの脳を鍛える具体的な方法や難関中学に合格するための勉強法などを、オンライン講座やメールマガジンで公開しています。
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