子供を勉強させる場所、リビングか自分の部屋か?
執筆者:熊野貴文(幼児教室ひまわり塾長)
最終更新日 2022年10月02日
幼児教室ひまわりでは、子供を医学部や灘中学に合格させた親が講師となり、子供を医者にしたり、トップレベルの学歴を目指すための早期教育のやり方(主に11歳まで)を指導しています。
また、塾長の私も灘中学、大阪大学医学部を卒業した経験を持っているので、その体験をもとに教育法をアドバイスしています。
(私たちの教室の講師陣はこちらのページでご紹介しています。)
私たちのもとで学んでおられる方から、
「子供を勉強させる場所は、リビングか自分の部屋どっちが良いのでしょうか?」
「子供の勉強部屋はどうすれば良いのでしょうか?」
「小学生になったら自分の部屋で勉強させるべきでしょうか?」
など、勉強させる場所に関するご質問をたくさん頂いています。
この記事では、このテーマに関してお答えしていきましょう。
あなたのお子さんは勉強部屋を持っていますか?
それとも、リビングで勉強をしていますか?
今の時代はお子さんをリビングで勉強させる保護者の方が多いです。
東大脳の育て方という本に掲載されているデータによると、「東大生の83%はリビングで勉強した経験を持っている」というふうに書かれています。
こんなデータを見せつけられると、「リビングで勉強させたほうが、学力がアップするようだ。親が監視をしないといけないので小さなうちは勉強部屋を持たせない方が良い。」という考えになると思います。
中には、自分の部屋で勉強する子をリビングで勉強させるようにするという保護者の方もおられます。
さて、このデータですが単純に解釈してよいのでしょうか。
また、お子さんの状況に応じてどのように勉強する場所を選べば良いのでしょうか?
このページでは「子供の勉強部屋選び」についてお話しいたします。
実は歪められたデータ
まず、このページで冒頭でご紹介した「東大生の83%はリビングで勉強した経験がある」というデータですが、実はかなり歪んで解釈されています。
なぜなら、小学生(特に低学年)の9割がリビングで勉強しているからです。
つまり、100人の小学生がいれば
・90人がリビングで勉強している
・10人が子供部屋で勉強している
という計算になります。
【参考記事】
All About:「勉強部屋はリビング? 子供部屋?」
もともと母集団が9倍違うので、東大生の83%はリビングで勉強した経験を持っているというのはあたり前のデータ化だと言えます。
むしろ、割合が90%から83%に減っているわけですから、「東大生はむしろリビングで勉強していない」とも言えると思います。
確率の理論を当てはめてみると「リビングで勉強しても、子供部屋で勉強しても合格率はそんなに変わらない」という結論になります。
ですから、リビングで勉強すると学力アップにつながるという情報は、記事として面白くするために作られた俗説にすぎないわけです。
歪められた情報と思われるので、鵜呑みにしない方がよいと思います。
さて、子供を勉強させる場所(リビング学習)についてどのように考えていくか。
ここからは、私が過去に指導した経験をもとに、お話していきたいと思います。
なぜ、リビングで勉強させるのか?
ここまでお話したように、お子さんをリビングで勉強させている親御さんは約9割ということでした。
しかし、私が過去に家庭教師として1000人以上のお子さんの指導に携わった経験から、以下のような印象を受けています。
お子さんをリビングで勉強させているという、勉強させる場所は同じでも、「なぜリビングで勉強させたのか?」という動機は全然違いがありました。
有名中学校に合格した小学生の親御さんは、「子供の勉強をすぐそばでみてあげ、教えてあげたかった」と答えておられました。
イメージとしては、以下のような感じのシーンですね。
そして、そんな親に育てられた子供たちは小学校高学年になると自分の部屋で勉強していたそうです。
これに対して、中堅の中学校に合格させた親御さんは、「子供がきちんと勉強しているかを監視するため」という感じの動機を持たれている印象でした。
そして、子供たちが小学校高学年になった後でもリビングで勉強させ続けたそうです。
監視するのが目的でリビングで勉強させていたわけですから、その監視は小学生の高学年になっても当然続くのです。
イメージは、こんな感じでしょうか?
この違いはたいへん興味深いと思います。
「リビングで勉強させていた」という事実は同じだったとしてもその目的は全然違ったわけです。
さて、これからお子さんの勉強部屋選びをお考えなら、以下のように選択されると良いかもしれません。
もしあなたのお子さんが、「まだ自分一人で勉強できず親の手助けが必要」という状況であれば、リビングで勉強させるのもよいと思います。
あなたがしっかりと目を配り、お子さんが一人で勉強できるように手伝ってあげてください。
逆に、勉強に関して自立しているなら、自分の部屋で勉強をさせることでより集中力を発揮できるでしょう。
あなたはお子さんを遠目にみて見守ってあげるとよいと思います。
勉強させる場所に関して大切なのは「何を目的にするのか?」ということを意識することです。
「周囲の人がリビングでやっている」「リビングで勉強させるのが流行」というように流されるのではなく、お子さんをそこで勉強させる目的をしっかりと決めることが大切だと言えるでしょう。
また、子供を京大医学部と阪大医学部に現役合格させた大平先生は、「リビングでも勉強部屋でも両方で勉強させるようにしていました。そのほうが、気軽に勉強できますし、勉強へのハードルがぐんと下がります」とおっしゃっています。
どんな学習環境で学ばせるかということを、明確な意図をもって選択できるということが、お子さんの学力アップのためにとても重要だと言えますね。
【参考情報】リビング学習の長所と短所
このページでは、「子供の勉強部屋の選び方」についてご紹介しましたが、幼児教室ひまわりでは、お子さまの脳を鍛える具体的な方法や難関中学に合格するための勉強法などを、オンライン講座やメールマガジンで公開しています。
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