中学受験に向けてやる気が出ない子どもをどうすればいい?わが子の「やる気スイッチ」を入れる5つの方法
執筆者:熊野貴文(幼児教室ひまわり塾長)
最終更新日 2023年06月29日
大人でも子どもでも、やる気を維持することは非常に難しいことです。
中学受験を控えた小学校5~6年生ともなれば、なおのこと集中できない・やる気が出ないなどと言って、勉強が疎かになることもあるはずです。
中学受験を控えた大事な時期なのに、やる気が出ないという子どもは珍しくありません。
では、どのようにすればやる気のない子どもにやる気を引き出せるのでしょう。
こちらのページでは、やる気が出ない理由ややる気を引き出す方法などについて詳しく解説します。
中学受験の勉強にやる気が出ないのはだめなこと?
中学受験を控えた小学5〜6年生といえば、遊びたい盛りの時期。
しっかりしているように見えてもやはり子どもですから、遊びの誘惑に打ち勝つことはなかなか難しいことかもしれません。
世の中には楽しそうなことや面白そうなことがたくさんあるのに、なぜ自分は中学受験に向けて勉強ばかりしているのだろう。
そのように考えはじめてしまうと、一気に中学受験の勉強に対するモチベーションが急降下してしまいます。
そして起こるやる気が出ない現象。中学受験を控える子どもたちを襲う、やる気が出ない現象について考えてみました。
勉強に「やる気」は必要なのか
やろうと思っていてもなかなかやる気が出ず取りかかれない。
勉強だけに限らずよくあることですよね。
しかし、なかなか取りかかれない状況は、やる気さえあれば打破できるものでしょうか。
勉強に限らず、行動開始をするときに、必ずしもやる気が出ない状態でも問題はないのです。
やる気というものは、あとから付いてくればいいもの。
ですから、やる気が出ない状態でもとりあえず取り掛かることが重要です。
勉強が好き・得意なお子さんでも、毎回やる気満々で勉強をはじめている子は少ないでしょう。
彼ら・彼女らは、勉強することが当たり前ですから、やる気が出ない状態でもとりあえず勉強を開始する能力をもっているのです。
このように、やる気が出ない状態のお子さんでも勉強はできますので、やる気が出ないことばかりに注目する必要はないでしょう。
やる気が出ない原因は、中学受験に向いていないから?
まずはやる気が出ない理由を確認することからはじめてみてください。
一時的なものなのか、なにか原因があるのかで対応は変わります。
友だちと遊べなくて孤独を感じていたり、頑張っても成績が上がらないことに悩んでいたりなど、やる気が出ない理由はさまざまです。
自分のなかにくすぶっていることを言葉にさせることで、気持ちの整理もできます。
まずは最後まで話を聞いてあげてください。
その上で、解決策を一緒に考えてみましょう。
状況次第では中学受験をやめることも考える
状況によっては、中学受験そのものをどうするか検討しなければならない場合もあります。
それは、子ども自身が中学受験そのものに対してやる気がまったく起こらない状況です。
何をやってもやる気が出ない状態に陥っている、中学受験にネガティブな感情しか出てこないといった状態であれば、受験自体を断念することも1つの方法です。
デリケートな問題ですので、親子だけで話し合わず、塾や学校の先生も交えて検討するといいでしょう。
【関連記事】中学受験しなければよかった?後悔する原因と受験を成功させるポイント
中学受験にやる気が出ない子どもへの声かけ方法
なかなかやる気が出ない子どもに対して注意したいことは、声かけの仕方です。
「勉強しなさい」という言葉でも、声かけの仕方次第でやる気アップにつながれば、モチベーションを下げてしまう可能性もあります。
基本的にはポジティブな声かけを
中学受験の勉強は、気力や体力が必要で、気持ちの消耗が激しくなることも多いでしょう。
だからこそ、子どもの気持ちややる気が出ないようにしてしまうネガティブワードは避けるようにしましょう。
ポジティブワードの決め手は「褒める」こと
褒めてあげることで子どもたちはやる気を取り戻します。
悪いところばかりに目が行きがちですが、中学受験に向けて頑張っているところ、成長したところをしっかり見つけて、労ったり褒めたりしてモチベーションをアップさせてください。
これはダメ!「命令口調」
命令形での声かけは原則NGだと考えておいてください。
怒りたくなるお気持ちもわかりますが、命令されていては子どもの自主性が育ちません。
自ら勉強する意識を育てるためには、やる気を育む声がけを意識しましょう。
【関連記事】中学受験でやる気が出る言葉7選!やる気が落ちる原因や対処法も解説
中学受験にやる気が出ない子の「やる気スイッチ」を入れる5つの方法
やる気が出ない子どもにやる気を出してもらうには、いくつかのポイントがあります。
ここでは「自己肯定感をアップ」「自発的な学習意欲を引き出す」「やる気がなくても勉強をしてもらう」、これら3つをベースに5つの方法を紹介します。
1.簡単な問題から挑戦させる
中学受験に対する勉強は小学校の授業と比較しても難易度が高く、解くことが大変な問題も多いでしょう。
頑張っても解けない問題にばかり挑んでいると自己肯定感がダウンしてしまいます。
時間がかからず解ける簡単な問題やミスが起こりにくい問題から解かせるようにし、徐々に難易度を高めていきましょう。
2.環境を整える
塾や家庭教師を利用することもやる気を引き出すひとつの手段です。
プロに任せることで、自己肯定感を下げることなく、効率のいい勉強法を行えます。
また中学受験塾に通うことで、同じ目標や高い志をもつ仲間と出会えるため、ライバル心や頑張っている仲間がいる安心感などが得られます。
3.志望校へ見学に行く
志望校を決めていても、実際に足を運び目で見て肌で感じることがないと、漠然としているためやる気が出ない可能性もあります。
見学へ行くことでモチベーションアップだけでなく、子ども自身がその中学校にいる姿を想像しやすくなるため、目標意識を高めやすくなるでしょう。
4.親も一緒に勉強する
自分ひとりだけが勉強していると考えると、やる気が出ない状態になってしまうこともあります。
そこで親も一緒に勉強する時間を作ってみてください。
塾や学校のように、同じ時間・空間でともに勉強をする人がいると、自分だけではないという安心感や連帯感が生まれるため、モチベーションダウンにストップをかけられます。
疑問形での声かけ
「今日は何時から勉強をはじめる?」「国語と算数、どちらかやる?」などといった声かけをすることで、子どもは何をしたらいいかを自分で考えられます。
「今日は何から勉強する?」といった声かけでもいいのですが、子どもの反応次第では、具体的な質問に変えてあげてもいいでしょう。
【参考情報】「集中力」を高める学習環境の設定について
【関連記事】中学受験の志望校の決め方・・・挑戦するか、安全に行くか?
やる気が出ないことだけに注目しないことが大事
中学受験を控える子どものやる気が出ない問題に、親はどのように対応していくか。その答えは、あまり難しいことではないのかもしれません。
子どもの様子や気持ちを観察し、しっかりと寄り添いながらサポートしていくことで、やる気が出ない理由も見えてくることでしょう。
やる気が出ないことだけを問題視するのではなく、やる気が出ない状態でも自ら勉強がはじめられる自主性を育てたり、やる気アップのために自己肯定感を高めたりする方法を考えてみてください。
そうすることで、やる気が出ないで何もしない時間は格段に減っていき、結果にもつながっていくはずです。
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