中学受験で合格するための進学塾の選び方と活用の仕方
執筆者:熊野貴文(幼児教室ひまわり塾長)
最終更新日 2022年10月11日
中学受験で合格するための進学塾の選び方と活用の仕方について、中学受験で灘中学に合格した私と、お子さんを灘中学合格へと導いた当教室の上田先生の教育をもとに、ご紹介いたします。
なぜ中学受験の塾に入らないといけないのか?
中学受験に挑戦する場合は、一般的には中学受験専用の進学塾に通うことになります。
なぜ進学塾に通うかと言いますと、中学受験に合格するための環境が整っているからです。
もし、進学塾に通わなければ、その環境を親御さんが用意しなければいけなく、それは親御さんにとってもお子さまにとっても、お大きな負担になります。
【参考情報】「塾通い」する場面の経験構成
中学受験専用の進学塾に通うことの大きなメリットは、こちらの3つです。
・受験までのカリキュラムが組まれている
・定期的にテストが行われ、現状の学力の把握と改善策が明確になり、かつテスト慣れにもなる
・中学受験や志望校に関する豊富なデータがある
これら3つの環境を、各ご家庭で用意することはとても大変です。
現代ではすでに、中学受験を目指す大半のご家庭が進学塾に通うようになっています。
そのような状況ですので、中学受験を考えている場合は、専用の進学塾に通うことが、最低限の準備になると思います。
進学塾に通い始めるのは、一般的には、小学校3年生か4年生くらいからとなります。
私も小学校3年生から進学塾に通いました。
【参考記事】医者になるためには・・・学習塾はいつ入れるべき?
進学塾の選び方と活用の仕方を3つの視点で考える
「中学受験の進学塾をどのように選べば良いでしょうか?」というご相談をよくお受けします。
そこで今回は、進学塾の選び方と、活用の仕方を3つの視点から考えていきましょう。
1.ある程度の目標を設定する
進学塾を選ぶ際の基準となるのは、やはり「目標」です。
「どのレベルの中学を目指しているのか?」ということが定まっていないと、進学塾もなかなか選べないと思います。
たとえば関西地域では、浜学園、希学園、馬渕教室という3つの大手進学塾があります。
私の出身校である灘中学の生徒たちは、ほぼこの3つの進学塾のどこかに通っていました。
となると、最難関中学を目指すには、このいずれかの塾に入った方が合格の可能性が高くなるということになります。
逆に、そこまでのレベルを目指さないのであれば、この3つの進学塾以外の塾も選択肢に入ってきます。
このように、進学塾を選ぶ基準は、目標とする志望校のレベルがとても重要になってきます。
ですので、進学塾を選ぶ段階では、ある程度の目標を設定しておきましょう。
ただ、一つ注意点があります。
「目標を設定する」と言っても、「○○中学一択!」というような特定の学校にまだ絞らなくても良いと思います。
1つに絞ったり、高すぎる目標などを設定してしまうと、その目標に執着し過ぎてしまい、
親御さんもお子さまも気持ちよく勉強に取り組めなくなる可能性があるのです。
この先のテストの結果などに一喜一憂し、柔軟な対応ができなくなってしまいます。
小学校3年生や4年生からでもこの先、学力は十分に伸びます。
目標を高く設定するのは良いことですが、目標を狭めずに、「幅」を持たせておくと、心に余裕が生まれ、親子共に頑張れるようになります。
ですので、塾選びの段階では、“ある程度の”目標を設定すると良いでしょう。
2.地域とわが子の現状を把握する
ある程度の目標を設定し、目標から逆算して考えると、これからすべきことが明確になっていきます。
ただ、ゴール(目標)のイメージだけでなく、スタート地点(現状)も把握しておく必要があります。
スタート地点として把握しておくのは、大きくはこの3つです。
・わが子の学力
・わが子の性格
・お住まいの地域情報
たとえば、最難関校を目指したくても現状のお子さまの学力がまだ十分でない場合、まずは現状の学力レベルに合わせた難易度や環境で始めないといけません。
現状の学力よりもあまりにも高い難易度の勉強をしてしまうと一気に勉強嫌いになり、そこからの学力アップは難しくなります。
また、それに伴い、お子さまの性格も把握しておきましょう。
・少人数の塾で、講師の方に丁寧に教えてもらう環境が良いか?
・多数の優秀な子たちと切磋琢磨して競い合う環境が良いか?
お子さまの性格によって異なります。
もちろん受験間近になってきたら、競い合う厳しい環境の中で頑張らなければいけません。
ただ、小学校3年生くらいであれば、最初は勉強に慣れさせるためにもお子さまの性格に合わせた環境を用意するのも良いと思います。
・どんな講師の方がいるのか?
・どんな学習環境があるのか?
お子さまとの相性も含めて考えてみましょう。
そして、お住まいの地域のことも把握しておく必要があります。
都心から離れている地域では、大手進学塾などがなかったり、自宅から遠く離れている場合もあります。
一般的な情報は、今の時代ではネットなどから収集することができます。
ですが、
・塾への移動時間はどのくらいなのか?
・移動中に何か勉強ができるのか?
・不利な地域の状況をどう乗り越えるか?
・この地域での成功事例はあるのか?
など、地域ならではの情報もたくさんありますので、それらもきちんと情報収集しておきましょう。
3.親御さんが教えられない時の対処法
そして最後の3つ目は、「親御さんが教えられない時の対処ができるかどうか?」という視点です。
小学生の勉強とはいえ、中学受験の問題はとても高度です。
親御さんでも解けない問題がたくさんあります。
ですので、お子さまに細かく勉強を教えることができなくなってきます。
これは親御さんとしては少し寂しい気持ちになりますが、「親としての役割」が変わっていくということです。
今までの「教える役割」から、「サポートする役割」へと変わっていきます。
中学受験の勉強の場合は、勉強を教えるのは進学塾の講師の方です。
こうなると、「いかに塾講師の方と良い関係が築けるか?」ということも、とても重要になってきます。
進学塾を上手に活用していくのです。
親御さんの役割である「サポート」というのは、主に、「分析」と「環境づくり」です。
分析というのは、「どうすればわが子の成績が上がるか?」と考えることです。
進学塾で実施されたテスト結果を見て、
・どの科目が得意でどの科目が苦手なのか?
・どの分野が苦手なのか?
・間違えた問題の原因は?
・間違えた問題を解けるようになるためにはどのような勉強をすべきなのか?
このように現状を分析し、成績が良くなるための勉強法や道筋を明確にしてあげます。
「自分は問題が解けないのにそんなことができるのか?」と思うかもしれませんが、このような時こそ、塾の講師の方に協力してもらいましょう。
苦手分野や間違えた問題などをどのように改善していけば良いかを親御さん自身でも考えたり調べたりするのですが、どうしてもわからない時などは、塾講師の方に相談しても良いと思います。
これは、親御さんが塾講師の方に相談しても良いですし、お子さまが塾講師の方にわからない問題を質問したりすることも大切です。
このように、お子さまの成績を上げるために、現状を分析し、適切な環境を作ってあげるのが親御さんの役割となってきます。
ですので、「塾講師の方達とも協力できる環境なのか?」という部分も、塾選びの時の基準にすると良いでしょう。
以上、進学塾の選び方と活用の仕方について、3つの視点から考えてみました。
お子さまが勉強に集中できる環境を親御さんが整えてあげる
こちらのページでは、「中学受験で志望校に合格するための進学塾の選び方と活用の仕方」というテーマで、進学塾の選び方と活用の仕方を3つの視点からご紹介しました。
1.ある程度の目標を設定する
2.地域とわが子の現状を把握する
3.親御さんが教えられない時の対処法
この3つを意識しておくと、わが子に合った進学塾を選ぶことができ、そして、進学塾と上手に付き合いながら、中学受験を戦えるようになるでしょう。
中学受験は親子の戦いと言われています。
それは、小学生の子どもにはまだまだ経験値が少なく、親御さんのサポートが必要だからです。
子どもは勉強に集中し、親御さんは子どもが勉強に集中できる環境を作ることがメインの役割となります。
そのため、まずはお子さまが勉強に集中できる環境がある進学塾を選び、その進学塾を最大限に活用できるように裏で親御さんがサポートしていくようにしていきましょう。
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