得点力につながる、理科の勉強法のコツ
執筆者:熊野貴文(幼児教室ひまわり塾長)
最終更新日 2022年10月02日
「中学受験の理科の勉強法」について、実際に中学受験で灘中学に合格した私が、おすすめの勉強法をご紹介します。
理科という教科は、得手不得手が大きく分かれます。
興味いっぱいで積極的に勉強する小学生のお子さんもおられる反面、アレルギー反応を示す子もいます。
どうせなら、正しい理科の勉強法を習得し、いち早く得意教科にしたいですね。
理科という教科は、全体像を正しく把握することで、その勉強法のコツを上手に掴めます。
このページでは、中学受験を目指す小学生のお子さんをお持ちの親御さんに向けて、理科の勉強法を解説していきます。
【参考情報】生徒が自ら考察する理科学習指導の在り方
理科の勉強はいつから始める?
まずお伝えしたいことは、「中学受験で成功する小学生は、いつから理科の勉強を始めているのか」ということについてです。
国語と算数だけの学校もありますが、多くの学校では理科は必須教科です。
しかし、国語と算数と比べると、理科は勉強に時間がかかりません。
ですから、多くの小学生は、小学校4年生から勉強を始めます。
それまでは、算数と国語の基礎をしっかり固める方が良いです。
もしあなたのお子さんが小学校4年生以上なら、もう理科の勉強を始めてください。
小学校3年生までであれば、今は算数と国語を重視してください。
なお、ここについて少し補足します。
このページをお読みの方のなかには、まだお子さんの年齢が小学生にもなっていない方もおられるかと思いますので、そのような方に向けてのアドバイスです。
お子さんが5歳くらいまでなら、将来理科が強くなるために、「毎日の遊びのなかで理科の基礎を親が作ってあげる」ということを意識してください。
・積み木で遊ぶなかで、重心を学ぶ
・虫を見ながら昆虫について知る
・科学館の中で人体について学ぶ
など、親が意識して関わることで、どんどん学びにつながっていきます。
年長さん~小学校2年生くらいなら、「科学実験教室」などに通わせてあげるのも楽しいです。
そして、お子さんに対して理科の早期教育を施す際には、「わが子の興味に火が付いた瞬間を絶対に逃さない」という心がけがとても重要です。
図鑑の中で読んだこと、自然体験の中で感じたことなど・・・お子さんはどこで興味を持つか予測できません。
興味を持った瞬間こそが、学びへのスイッチが入りますから、その瞬間を逃さないようにしてください。
お子さんがちょっと興味を持ち始めてきたら、親御さんが徹底的に先回りして、一緒に楽しむことで、お子さんの興味をもっともっと広げ、深めていくことができます。
本格的な理科の勉強は小学校4年生からとなりますが、それまでも遊びを通して、お子さんに理科を経験させてあげるとずいぶん違ってくると思います。
【参考情報】理科嫌い・理科離れに関する研究
理科の特徴=連鎖が少ない
理科という教科は、算数や国語よりもはるかに苦手を克服しやすいです。
ですから、あなたのお子さんが「理科が苦手」だとしても、それはすぐに解決できます。
理科を克服しやすい最大の理由は「連鎖が少ない」ということです。
連鎖と言うのは、
・Aという分野が理解できて、初めてBが理解できる。
・AとBの両方が理解できると、ようやくCが理解できる
というように、「ある特定の分野が、別の分野の理解のために必須である」という状態です。
たとえば、算数の場合は、「速さ」の分野でつまづくと、時計算や流水算は理解できません。(手も足も出ません)
国語の場合は、四字熟語や漢字などが理解できないままだと、長文の意味が分かりませんよね。
連鎖がある教科のなかでは、「1箇所でつまづくと、それ以降が全てダメになる」という現象が発生します。
これに対して、理科という教科は比較的連鎖が少ないです。
・植物 ・動物 ・人体 ・天体 ・気候 ・流水 ・光 ・音
・力学 ・電気 ・水溶液
というように、分野がきれいに分かれています。
・光について分からなければ、水溶液の問題が解けない
・昆虫について知らないと、電気の問題が分からない
ということは無いのです。
ですから、1つの分野ごとに、短編小説のように完成しています。
この「からくり」が理解できれば、勉強法の糸口も見えてきますね。
【参考情報】小学校と中学校の理科のつながり
暗記分野を攻略するのが第1歩
理科の苦手を克服するには、「暗記分野を攻略する」というのが最も即効性がある方法です。
具体的には、植物や動物、天体、人体、気候などがこれに相当します。
・さそり座の一等星の名前は?
・タンパク質を消化する内臓は?
こんな問題のカギになるのは、「知っているか、知らないか」だけです。
ですから、正確に暗記さえできればすぐに成績がアップします。
この最初の体験・・・「成績がアップする」という状況を体験することが非常に大切です。
成績がアップしたことにより、「理科もやればできるんだ」という意識がお子さんの中に生まれ、他の分野についてもやる気が出ます。
さて、暗記分野を克服した後は、「理解を必要とする分野」にチャレンジしていきます。
具体的には、電気や水溶液、音や力学などが該当します。
これらの分野の勉強法のコツは、「とにかく基本問題に集中し、徹底的にトレーニングをする」ということです。
無理に応用問題に進むのはなく、「基本問題を100%マスターする」ということを最初の目標にします。
なぜなら、無理に難しい問題に進むと「やっぱり理科って難しいな」という苦手意識がフラッシュバックしてくるからです。
基本問題を100%マスターできれば応用問題も徐々に解けるようになり、苦手意識が消えていきます。
また、仮に応用問題でつまづいても、「基本問題がしっかりと解けた」という成功体験があるので、やる気を維持することができます。
以上が小学生に向けた中学受験の理科の勉強法のコツです。
焦らずに1歩ずつすすめれば、確実に苦手を克服できますのでぜひ取り組んでみてください。
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