ダラダラ勉強する子供の集中力を高める方法
執筆者:熊野貴文(幼児教室ひまわり塾長)
最終更新日 2022年10月02日
中学受験を突破していくためには、しっかりとメリハリをつけて勉強していくことが必要不可欠になります。
そこで、このページでは、灘中学、大阪大学医学部に現役合格した私が、子供の集中力を高めるためのコツをお伝えします。
厳しい受験戦争を突破するためにはたくさん勉強することが重要ですが、それに伴い集中力は不可欠な要素とも言えます。
ですから、ダラダラと勉強しているようでは、最終的に受験戦争に勝つことができません。
幼児教室ひまわりでは、お子さんの集中力を高める方法について数々のご相談をいただきます。
- 勉強するまでに時間がかかり過ぎて困っている
- ダラダラと勉強して、結局勉強が終わらない
- 集中力を付けるためには何をすれば良いのでしょうか?
- 集中力をつけるトレーニングの方法を教えてください
- 集中力が無いので、勉強が身に付かない
こんな数々のご相談が私のもとに寄せられています。
そこでこのページでは、実際に1000人以上の生徒さんを指導してきた私の経験をもとに、「子供の集中力を高める方法」についてお話させていただきます。
まずは、子供が勉強に集中できない4つの理由からお話します。
子供の集中力が無い(勉強に集中できない)4つの理由
子供が勉強に集中できない理由は、大きく分けて4つあります。
順番にご紹介していきましょう。
集中できない理由1.外部の刺激で集中が切れる
外部の刺激が多いと物事に対して集中できません。
携帯電話、メール、周囲の人間からの働きかけ、部屋の音などの刺激が集中を妨げます。
「メールが来たので、今やったことをやめてしまった」「周囲の音が気になって物事に集中できない」という経験は、私たち大人でもあると思います。
子供は大人より散漫ですから外部の刺激には注意が必要です。
「子供が勉強するときには、周囲の刺激をできるだけ断つ」ということを実践するだけでも、ずいぶん集中力が変わります。
たとえば、
・勉強部屋と遊びの部屋を分ける
・子供が勉強を始めたらテレビやビデオを全て切る
・勉強机の上には何も置かない
・勉強中は子供の携帯電話の電源を切っておく
などを徹底することが大切です。
【参考情報】家庭学習を阻害するもの
集中できない理由2.お子さんが発達障害の場合
子供が発達障害の場合は、集中力が散漫になりやすいです。
たとえばADHDのお子さんは力があり余っている状況なので、勉強しているときもムズムズしています。
早く他のことをしたり、走り回ったりしたいのです。
しかしお子さんが発達障害だからといって、何も勉強の道を諦める必要はありません。
もしあなたのお子さんが「好きなことには集中するのに、勉強には集中できない」という状況なら、それは、他のことには集中できるということになります。
ですから、大切なのは「勉強を興味の対象にする」ことです。
発達障害の程度にもよりますが、勉強に対して興味を持たせることで十分に高いレベルの学力を目指せます。
集中できない理由3.心の中に何か葛藤か不安がある
「何か心配事があって、仕事や家事が手に付かない」という状況を経験されたことは無いでしょうか?
おそらく多くの方はそんな経験があると思います。
心の中に葛藤や不安があると、それだけで何事にも集中できません。
これは、子供の場合ならなおさらです。
小学校で嫌なことがあったり、親をひそかに恐れていたりなど…
いろいろな要素が絡み合って、小さな心が葛藤や不安に蝕まれます。
子供の心はデリケートなので、「うちの子は大丈夫かな。何か心の痛みを抱えていないかな」と見守ってあげることが大切です。
親が見守ってあげているだけで、子供はずいぶんと勇気付けられます。
【参考情報】学習コミュニティにおける「ネガティブ感情」の意味
集中できない理由4.とりあえず勉強しているだけ
あなたは、「何か楽しいことに没頭していて時間が経つのを忘れていた」という経験はないでしょうか。
・興味のある雑誌を読んでいたらいつの間にか午後になっていた
・趣味に没頭して一日が過ぎた
・服を見ていたら夕方になっていた
人は好きなことをしていると強い集中力を発揮できるのです。
ですから、もしあなたのお子さんが「勉強の世界が楽しくて仕方がない」という状況になれば、勉強に没頭することができます(人が変わったように集中します)。
逆に言えば、集中できていないという状況は「とりあえず勉強しているだけ」という状態にあるのかもしれません。
とりあえず勉強しているというのは、惰性で勉強したり、親が怖いから勉強したり、このような前向きでない理由で勉強している状態です。
・とりあえず勉強しているだけの子
・本気で勉強する子
この2人の子は勉強しているという事実は同じです。
しかし、成績は大きな違いが出ます。
時間と共に大きな開きが出てきて、「同じように勉強しているのになぜ」と不思議になるほどです。
この違いは集中力にあります。
勉強の世界を楽しいと感じている子は強い集中力で本気で勉強します。
ですからイヤイヤ勉強している子がどんなにがんばっても、好きで勉強している子に勝てません。
実際、ベネッセが2017年に行った研究でも、「15分×3に細かく区切った学習」は「60分1回でまとめた学習」よりもパフォーマンスが上がっているという実験結果が出ています。
ダラダラと長く勉強するよりも、たとえ短時間であったとしても、自分の課題として意欲的に取り組み、集中した方が成果が出るということが示唆されます。
【参考文献】
集中力を高める学習環境の設定について
以上、子供が勉強に集中しない4つの理由をお伝えしました。
参考にしてみてください。
また、今の状況を解決するために1つ大切なことがあります。
もしあなたが自分のお子さんの能力を将来トップレベルに導きたいなら役に立つと思います。
今からそちらをお伝えしますね。
子供の集中力に関して・・・あなたがやるべき大切なこと
お子さんが勉強に集中しない状況は、見ていて歯がゆくなるものです。
「うちの子だけどうして、こんなに集中力が無いんだろう・・・」と腹が立ったり嫌になったりします。
しかしこの状況に対しての解決策は、「叱る」ということではありません。
子供を叱ったとしても、「親が怖いから勉強をしよう」という気持ちが強くなるだけです。
お子さんの能力を伸ばしてあげたいと真剣に思われるなら・・・
「子供のやる気の芽を育てて、勉強の世界を楽しませてあげる」ということを第に考えてください。
やる気の芽は叱ることで育つのでなく誉めることで育つのです。
まずは、「子供が少しでも勉強している」という事実を誉めてあげてください。
「今日も頑張って机についたね。勉強がんばって偉いね」
「少しずつ計算が早くなってきたね。毎日がんばっているからだよ」
と声をかけてあげてください。
これが集中力のないお子さんのやる気の芽を育てる第1歩となります。
これを意識していると比較的早い段階で、お子さんの姿勢が変わると思います。
そして、ずっと実践していると、5年後、10年後には大きな違いが出ることでしょう。
幼児教室ひまわりでは、お子さまの脳を鍛える具体的な方法や難関中学に合格するための勉強法などを、オンライン講座やメールマガジンで公開しています。
もっと深く学びたいという方は、ぜひ私たちのメールマガジンにご登録ください。
この記事を読まれた方にオススメのコラム