タブレット教材との上手な付き合い方

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タブレット教材との上手な付き合い方

執筆者:熊野貴文(幼児教室ひまわり塾長)

最終更新日 2022年10月02日

近年、子育ての中でタブレット教材に関するお悩みが多くなっています。
そこでこちらのページでは、幼児教室ひまわり塾長として約1万人以上の保護者に指導してきた、私の意見をお伝えいたします。

私の教室に通われている保護者の方からのご質問で、最近増えているのは、「タブレット教材をどう使うのか?」「そもそもタブレット教材は良いのですか?」というご質問です。

タブレット教材に関しては、教育者によって意見が分かれるところです。
また、とても強力な武器にはなりますが、使い方に注意が必要だといえます。

そこでこのページではタブレット教材について、掘り下げていきましょう。


タブレット教材を使うと、子供の自主性が失われる?
タブレット2

タブレット教材を使うことに、否定的な親御さんは結構おられます。

・映像の刺激が強すぎて、子供が受け身になりすぎるのでは?
・目が悪くなってしまわないの?
・勉強は机でするものだから、タブレットで本当に学力が身につくとは思えない
・実際に書かないのに、本当に漢字を覚えられるのか?

こんな理由で、タブレット教材を活用することに否定的なんです。

たしかに、幼児や小学生向けのタブレット教材は刺激的で、音楽と演出でお子さんの学習を盛り上げてくれますからね。

刺激が結構強いこともあって、こういう不安を持たれる気持ちもよく理解できます。

また、

・自然のなかで遊びましょう
・積み木で遊ぶことで創造力が磨かれていきます
・原始的な遊びこそが子供の本当の力を引き出す
・勉強は紙でするものだ

こんな感じのことを言う教育者も少なくはありませんので、余計に不安になりますよね。

では、私はどういう意見かというと、

「タブレット教材は学習を助ける強力な武器である」

こう考えています。

ただ、この強力な武器を使うには、ちょっとした注意と意識が必要になってくるのです。

さらに話を進めていきましょう。


タブレット教材の強み
タブレット3

タブレット教材の最大の強みは、大きく3つに分かれると思います。

まず1つめの強みは、「子供の学習を盛り上げて楽しませてくれる」という点です。

正解したら盛大に誉めてくれたり、特殊なアイテムが手に入ったり、ゲーム的な要素が入っていたりなどなど・・・
とにかく学習して楽しい、飽きさせない工夫がされています。

こんな工夫によって、子供にとっての勉強のハードルが低くなりますね。


2つめの強みは、「場所を選ばず、どこでもできる」という点です。

普通の勉強であれば机の上でないとできませんが、タブレット教材であれば場所や時間を問わず、いつでも学習ができます。
空き時間を上手に使えるので、本当にすぐれていますね。


3つめの強みは、「情報量が多く、分かりやすい」ということです。

たとえば、

・漢字のアプリなら、1つの漢字を覚える際に似たような字がいくつか出てきたり、
・分数のアプリであれば、「4分の1」を説明するのに、ケーキを分けるシーンが動画で出てきて教えてくれたりなど、

動画や画像を使って分かりやすく教えてくれます。


1.子供の学習を盛り上げてくれる
2.場所と時間を選ばない
3.情報量が多く、分かりやすい

こういうメリットがあるので、学習に大きな力を発揮します。


タブレット教材の死角
タブレット4

一方、タブレット教材には死角もあるといえます。

この死角の部分を正しく理解していないと、この強力な武器に飲まれてしまい、使いこなせません。

そこで、この点に関して触れていきましょう。


まず最初に、タブレット教材の最大の死角は「親が楽である」ということです。

タブレット教材をやらしておけば、子供は勝手に取り組んでくれます。

でもこれは一見メリットに見えますが、デメリットも大きいです。

楽だからといって、タブレットに教育を任していたら、将来がかなり大変になります。

なぜなら、中学受験の世界では、「親と一緒に勉強をする」ということが必要不可欠だからです。
難関中学の入試問題は、タブレット教材だけは到底太刀打ちできませんので、ここは忘れないようにして下さい。


次のタブレット教材の死角は、「間違った問題だけをリストアップすることができない」ということです。

これは勉強法の基礎になりますが、正解した問題を何度解いたところでお子さんの学力は伸びません。
「問題が解ける」ということを確認しているだけになります。

間違った問題を正解にしてこそ、初めて学力がつくのです。

タブレット教材のなかには、「間違った問題をもう一度出す」という機能が付いている教材も一部ありますが・・・この点に関しては人間の方が優れています。

また、

「どれくらいの時間考えて、その問題を正解したのか?」
「当てずっぽうで解答したのか?」

などは、タブレット教材では測れず細かい対応ができません。

ここもタブレット教材の死角だといえますね。


「タブレット教材+親」というハイブリッド学習法
タブレット5

さて、タブレット教材について、その長所と死角をお伝えしました。

これらを踏まえたうえで、どうタブレット教材を使い、子供の成長に役立てていくのかをお話しましょう。

私たちが意識したいのは、「タブレット+親」というハイブリッドな学習法です。

つまり、「タブレット教材の強みを生かして、死角は親がフォローする」ということですね。

たとえば、

・漢字やことわざについて、大まかな部分はタブレットで覚え、間違った部分のみを親が紙にまとめてあげる
・引き算の概念を理解する目的でタブレットの映像を活用する
・お買い物の空き時間に、タブレットで勉強する

こんな感じで、

「タブレット教材は全体の一部」というように、親が主導権を持って活用するのです。

基本的な学習に関しては親がしっかりと管理する。そのなかで、ピンポイントでタブレット教材のを活用するなど・・・このような視点を持つことができれば、今の時代の技術の力を最大限に活用できると思います。

ぜひ参考にしてみてください。

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