フラッシュカードと右脳・・・実際効果があるの?

お子さんを医者にするために役立つ情報

フラッシュカードの真相・・・実際どうなのか?

執筆者:熊野貴文(幼児教室ひまわり塾長)

最終更新日 2022年10月02日

フラッシュカードの効果に関して、医者になった私の観点と、わが子を京大医学部と阪大医学部に現役合格へ導いた当教室の大平先生の体験をもとに、ご紹介いたします。

幼児教室ひまわり大平博美先生のプロフィール

フラッシュカード1
フラッシュカードとは?

「フラッシュカード」という右脳教育の手法が話題を集めています。
漢字や数字、物の名前などを書いたカードを子供に見せながら、高速でめくっていく手法です。
結構知られている教育法なのでご存じの方も多いと思います。

私が運営している幼児教室ひまわりではフラッシュカードに関して、保護者の方からのご質問が多いです。

など・・・不安半分、期待半分という感じのご質問が届きます。
魔法の幼児教育の方法のような印象を受けるので、多くの方が興味を持っておられるのは事実ですね。

まずはフラッシュカードに関しての誤解についてお話しましょう。


フラッシュカードに関するよくある誤解
フラッシュカード2

まずフラッシュカードに関して多くの方が誤解していることは、「頭をよくするためのトレーニング」と思っておられることです。

・フラッシュカードをすると頭がよくなりIQがアップする
・フラッシュカードは右脳を鍛え、子供の頭をよくする


こんな感じの捉え方をされている方が多い印象を受けます。
もしこんな感じで思っておられるなら、それはちょっと誤解されていると思います。
フラッシュカード自体には、「右脳を鍛える」という効果は証明されていないのが現状です。
そもそも、右脳は潜在意識の領域なので、鍛えるということ自体が医学的に不可能だといえます。

フラッシュカードの本来の目的は、「大量の情報を脳にインプットし、知識をインストールさせる」ということです。
たとえば、「昆虫の名前」を一気にお子さんに覚えさせるのなら・・・
虫の絵が書かれたカードを、その虫の名前を口に出しながら1秒に1枚ずつめくっていきます。

「カマキリ、セミ、バッタ、コオロギ、カメムシ、ミツバチ、チョウ」

こんな感じでテンポよく情報を与え、脳に刷り込んでいくのです。
昆虫の写真、先生が発した言葉・・・これらの情報をセットにしてどんどん脳にインプットします。

素早くカードをめくっていくことで脳の理解がついていきません。
考えることができないので、理性のブロックが外れ右脳に直接入ると言われています。
これを繰り返すことにより、「大量の情報を脳に刷り込める」というのが最大の目的です。

つまり、フラッシュカードというのは「世の中の情報に関しての早期教育」ということがその本質だといえます。
大量の情報を一気に刷り込めるので、メリットはあると思います。
まずはそのメリット(効果)についてご説明させていただきます。


フラッシュカードのメリット、効果
フラッシュカード3

フラッシュカードのメリットは、すでにお伝えしましたように、「大量の情報をお子さんに一気にインプットさせられる」という点です。
数字や漢字、植物の名前、虫の名前、乗り物、食べ物の名前など、お子さんにどんどん情報を与え、物知りにさせられます。

生まれて間もない子供は世の中のことを何も知りません。
お母さんと一緒に世の中に触れながら周囲の世界を学んでいきます。

・「ツバキ」という植物の名前
・「納豆」という食べ物のニオイ
・「電車」に乗った時のワクワク感

など、様々なことを体験しながら世界を広げていくのです。
でもフラッシュカードを使えば、それを一瞬で行うことができます。

カマキリ、セミ、バッタ、コオロギ、カメムシ、ミツバチ、チョウ…

このように、刷り込んでいけるのでどんどん知識が増えていきます。
世の中のことを早く教えるという目的においては効率的な教育法です。
2歳の子供が「あ・い・う・え・お」を読めるようなるのです。

でも、フラッシュカードにはいろいろな弊害もあります。
これらについては、実はあまり触れられていません。


フラッシュカードで発生する弊害
フラッシュカード4

フラッシュカードを実践することで、

・独り言ばかりを言うようになって名前を読んでも振り返らなくなった
・生気が見られず、元気がなくなった
・自主性が失われてしまった

こんな問題も発生しているようです。
実際私が指導している保護者の方も、同じような状況に合われ慌てておられた方もおられました。
その方のお子さんは2歳でしたが、「自分の名前も知らないのに魚の名前を連呼している」という状況に驚かれたようです。

少し怖い話をしましたが、これはある意味当然の結果だと思います。
なぜなら、本人の自主性を無視して受け身で情報を与え続けるからです。
強制的に情報を刷り込むことで、問題が起きているといえます。


フラッシュカード5

普通に生きていた場合は、「納豆」について知るのはそれを食べたときですよね。
口に含んだ時の食感、味、ニオイなど体感しながら納豆の存在を知ります。
「セミ」に関しても同じですね。家の外に出たらセミが鳴いていて、一生懸命網で捕まえて、その体をすみずみまで観察して、「これがセミなんだ」と理解します。

・手で触れてみたり
・感触を味わってみたり
・耳で音を聞いてみたり

こんな体験を繰り返しながら、世の中のことを知っていくのです。
でもフラッシュカードの世界では絵と言葉で一気に刷り込みます。
それが何かもわからないまま、脳の中に強制的に入ってくるのです。
受け身で強制的に入ってくるので、その反動が出る可能性もあります。

知識は増えるかもしれませんが、本来の子供らしさがなくなったり、受け身の子供になったりなど・・・マイナスの作用も起こり得るのです。


あなたはどちらを選びますか?
フラッシュカード6

もしあなたが子供だったとしたら、どのようにして世の中のことを知っていきたいですか?

電車ということを知るのに、カードで刷り込んで知りたいですか?
それとも、お母さんと一緒に電車に乗りながら、「電車って大きいなあ。これでどっかに行くのかな?」と体験しながら知りたいですか?

ライオンについて知るのに、カードで見ながら知りたいですか?
それとも、家族と動物園に行って、「ライオンって強そうだな。あんな大きな動物がいるんだ」という体験と共に知りたいですか?

私が子供なら、実際に体験しながら世の中を知っていきたいと思います。
その理由はいろいろとありますが、一番大きな理由は「自分で自由に感じることができる」からです。

たしかにカードや写真を使えば、ライオンについて知ることはできます。
でも、それを実際に見たときの感動は写真では味わうことができません。
私にとってライオンというのは、写真やカードでみるものではなくて、目の前にいる自分が感じたものです。
「うわあ、大きいなあ!こんな牙で噛まれたら怖いな」と自分で感じ、体験することで初めてライオンが理解できると思います。

ここでお伝えしたいのは、「受け身か、自分で感じるか」という違いですね。

もちろんフラッシュカードの全てが悪いとは思っていません。
でも、一方的に情報を与えるという受け身の姿勢を、私は少し怖いと思います。
自分の目で見て、音を聞いて、それを触ってみて、頭で考えて・・・
こんな経験を通じて体験させる方が頭の良い子に育つような気がします。

また、このページの最初の部分で、子供を京大医学部と阪大医学部に合格させた大平先生は、結構フラッシュカードを使っていたというお話をしました。

ここまでの話では少しフラッシュカードについて、若干否定的な感じでお話してきましたので・・・「なんで今さらこんな話をするんだ」と思われるかもしれません。

ただ、大平先生は、このページでお伝えしたことを意識して、フラッシュカードを使っておられたのです。

最後に、そのエピソードをお話しましょう。


フラッシュカード7

大平先生の場合は、主にお子さんの脳を活性化させる目的で使っておられたのですが、「一方的に情報をインプットさせる」というふうなことは、避けておられました。そして、フラッシュカードを使用する際にも、「お子さんの身の回りの世界とリンクさせる」ということを意識しておられました。

たとえば、フラッシュカードのなかには、「お母さん」「お父さん」というカードもあります。

一般的にはお母さんのカードにはそれらしい女性の絵が、お父さんのカードには男性の絵が描かれています。

でも、大平先生はそこで疑問を抱かれました。

「これって、この子にとって本当のお母さんじゃない、本当のお母さんは私なのに・・・」

というふうに思ったのです。

ですからフラッシュカードの「お母さん」の顔写真をご自身の顔写真に、「お父さん」の顔写真をご主人の顔写真に張り替えて使用されました。

ついでに、お子さんの顔写真も貼って、「ぼく」というふうなカードにされたようです。

ここでお伝えしたかったのは、「そのままフラッシュカードを使うのではなく、お子さんの体験ときちんとリンクさせてあげる」という視点です。

フラッシュカードを活用される際には、ここのポイントを押さえることがとても重要だと思います。

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このページでは、フラッシュカードの効果や弊害などについて、その本質をご説明させていただきました。
よく知られている教育法であるだけにその扱いは注意が必要ですね。

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