子供の性教育は何歳からした?男女の違いが調査で判明!

子供の能力を最大限伸ばす方法を、 日本でいち早く確立していきます。 子供の能力を最大限伸ばす方法を、 日本でいち早く確立していきます。

活動報告・研究データベース

子供の性教育は何歳からした?男女の違いが調査で判明!

調査からわかる「幼少期から性教育の基礎を積み上げておくことの大切さ」専門家からのアドバイス

ひまわり教育研究センターは、2024年2月、10~12歳の子供(男子50名、女子50名)を持つ母親100人に「家庭での性教育」について複数のアンケート調査を行いました。(調査会社:Freeasy 調査時期 2024年2月26日~2月27日)

さらに調査について、乳幼児向きの「おちんちん講座」、思春期の学生向きの性教育を行なっている日本泌尿器科学会専門医、岡田百合香先生に考察して頂きました。子育て中の保護者の方にとって大変有益なアドバイスであると思います。

性教育1

ひまわり教育研究センターでは、未来をはばたく子供たちを育てる保護者の方々に有益な情報をお伝えするため、日々研究調査を行なっています。
このたびの調査結果がお子様の教育においての一つの指針になることを願います。

<調査の背景>

子供への性加害事件のニュースが報道されるたびに、子育て中の保護者の方は我が子を性被害から守るためにはどうすればよいのかと悩まれることと思います。そこで、子育て中の母親の家庭での性教育の実情、また性教育についてどのように考え、何に悩んでいるのかについての実態調査をしました。

<調査の内容>

・ご家庭でお子さんに性教育をしてきましたか?
・お子さんには何歳ぐらいから性教育をしましたか?
・ご家庭でお子さんに性教育をしているのは誰ですか?
・ご家庭でお子さんにどんな性教育をしてきましたか?
・あなたはお子さんに対して家庭での性教育は必要だと考えていますか?
・家庭での性教育が必要だと感じたきっかけは何ですか?
・お子さんへの性教育について困っていることや悩んでいることは何ですか?

<調査対象について>

調査対象は、10~12歳の男子の子供を持つ母親50人、同年の女子の子供を持つ母親50人。母親の年代は35~45歳、既婚、夫と同居。

<調査の詳細>

Q1.ご家庭でお子さんに性教育をしてきましたか?

10~12歳の子供を持つ母親100人に、家庭で性教育をしてきたかどうかについて尋ねたところ、「はい」と回答した母親は44人(男子の母親22人、女子の母親22人)で44%、「いいえ」と回答した母親は52人(男子の母親26人、女子の母親26人)で52%でした。「回答したくない」と答えた母親は4人(男子の母親2人、女子の母親2人)で4%でした。「性教育をしてきたかどうか」については、男女共に全く同じ結果となりました。

性教育2

Q2.  お子さんには何歳ぐらいから性教育をしましたか?

お子さんに家庭で性教育をしてきたと回答した母親44人(男子の母親22人、女子の母親22人)に「お子さんには何歳ぐらいから性教育をしましたか」という質問をしたところ、男子の母親は「10~12歳」と回答したのが14人(63.6%)で最も多く、「7~9歳」と回答した母親は8人(36.4%)でした。女子の母親にも同じ質問をしたところ、「10~12歳」と回答したのが14人(63.6%)で最も多く、「7~9歳」と回答した母親は4人(18.2%)でした「4~6歳」と回答した母親は4人(18.2%)でした。女子の母親の18%が男子の母親に比べて性教育を早い年齢からはじめているという結果となりました。

性教育3

Q3. ご家庭でお子さんに性教育をしているのは誰ですか?当てはまる人をすべて選びなさい。

お子さんに家庭で性教育をしてきたと回答した母親44人(男子の母親22人、女子の母親22人)に「ご家庭でお子さんに性教育をしているのは誰ですか」という質問をしたところ、男子の母親は「母親」と回答したのが17人(77.3%)で最も多く、「父親」と回答した母親は10人(45.5%)でした。女子の母親に同じ質問をしたところ女子の母親は「母親」と回答したのが18人(81.8%)で最も多く、「父親」と回答した母親は7人(31.8%)でした。

性教育4

Q4. ご家庭でお子さんにどんな性教育をしてきましたか?具体的に教えてください。

<男子の母親>

<女子の母親>

Q5. あなたはお子さんに対して家庭での性教育は必要だと考えていますか?

10~12歳の子供を持つ母親100人に、家庭での性教育は必要だと考えているかについて尋ねたところ、男子の母親は「はい」と回答したのが30人(60.0%)、「わからない」と回答した母親は19人(38.0%)、「いいえ」と回答した母親は1人(2.0%)でした。女子の母親に同じ質問をしたところ、「はい」と回答したのが39人(78.0%)、「わからない」と回答した母親は8人(16.0%)、「いいえ」と回答した母親は3人(6.0%)でした。女子の母親の方が男子の母親に比べて「家庭での性教育は必要である」と考えている母親が18%多いという結果となりました。

性教育5

Q6. 家庭での性教育が必要だと感じたきっかけは何ですか?

<男子の母親>

■社会的情勢

■子供の成長、性へ関心

■教育環境

■その他


<女子の母親>

■社会的情勢

■子供の成長、性へ関心

■教育環境

■体の防衛のため

Q 7. お子さんへの性教育について困っていることや悩んでいることは何ですか?

<男子の母親>

18人(36%)が『困っていることや悩みはない」と回答

■教え方がわからない(22人)

■恥ずかしい、聞いてくれない(5人)

■その他

小学校でセックスと叫ぶ子どもがいるらしく、「セックスってなに?」と聞かれて困った
学校で性について学んできた後に私達夫婦をどのように感じて、見ているのか
気になる。
性別により教えることも多少変わってくるように思う
男の子の感情、行動を母親の自分はすべてを理解できないこと
父親が積極的に教育する姿勢でないこと


<女子の母親>

23人(46%)が「悩みや困っていることはない」と回答

■教え方がわからない(21人)

■その他

<岡田百合香先生からのアドバイス>

10-12歳の子どもをもつ母親を対象とした「家庭での性教育」の状況・意識に関する本調査結果から、子の性別による差異や適切な性教育の開始時期について有益な情報を得ることができました。

まず、子どもに家庭内で性教育を行うか否かに子どもの性別は関係がないと言えそうです。(Q1)
一方で、子どもの性別によって保護者の意識に違いが表れているのは性教育の開始年齢です。(Q2)
10-12歳で開始した層に性別の差はありませんが、4-6歳(就学前)から始めた母親は男児では0%、女児では18.2%でした。
最近では男児(男性)であっても性暴力の被害者になるという認識が社会に浸透しつつありますが、性加害者=男性、被害者=女性である割合は依然高く、女性にとって痴漢やセクシャルハラスメントを含む性暴力は日常的に存在する脅威です。子どもに対する性加害の報道も絶えることがない現実の中で、母親が低年齢の頃から女性である娘に対して性暴力から身を守ることを目的とした性教育を行おうとするのは当然と言えるでしょう。

一口に性教育といっても、その内容は家庭によって異なります。(Q4)
回答からは「妊娠・出産の仕組み」「月経」「プライベートゾーン」が主な内容であることがわかります。性教育のきっかけは子どもからの問いかけであったり、保護者の危機意識であったりと様々であり、それに応じて伝える内容も家庭ごとに取捨選択されていることがうかがえます。

「お子さんへの性教育について困っていることや悩んでいることは何ですか?」という質問(Q7)で印象的なのは、「教え方が分からない」と回答した母親は男児女児でほぼ同数であったにもかかわらず、「話すのが恥ずかしい」「子どもが恥ずかしがって聞いてくれない」と回答した数は明らかに男児の母親に多いことです。
思春期に入り、体の変化、恋愛への関心、アダルトコンテンツへのアクセスを認めてから慌てて性に関する情報を伝えようとしても、保護者、子どもともに羞恥心や反抗心によってなかなかスムーズには進みません。特に男児は異性の保護者である母親と性の話をすることに抵抗感が強いのは当然のことです。
一方で、学校教育での性教育はまだまだ不十分で、「学校には期待できない」という危機感を多くの母親が持っていることが「家庭での性教育が必要だと感じたきっかけは何ですか?」(Q6)の回答結果からもうかがえます。

それではどうしたらよいのでしょうか。
重要なのは幼少期から性教育の基礎を積み上げておくことです。基礎とは「身体の構造や男女の違い」「妊娠出産のしくみ」「プライベートゾーン」「(性的)同意」といった内容が軸となります。
「避妊」「性感染症」「性的欲求との付き合い方」という思春期のトピックは言ってみれば応用編です。基礎ができていない状態でこれらの話をしても、表面的な知識や実践が難しい理想論の提供にとどまってしまいます。
子どもが「性=恥ずかしい」という意識を持つ前の年齢(幼児期)から、子どもの発達や興味関心に応じて基礎の内容を伝えていくことで、スムーズに理解定着が進むことに加え、保護者と性の話をしやすい関係の構築にもつながります。
系統的な性教育を受けてこなかった保護者世代にとってはハードルが高いと感じるかもしれませんが、書籍や動画教材、勉強会等を活用しつつ、ご自身で学ばれることをお勧めします。女性の保護者だけでなく男性にもぜひ学んで頂きたいです。
子どものよりよい人生につながることはもちろん、大人にとっても自分の生や性を前向きに捉えなおす機会になるはずです。



岡田百合香:日本泌尿器科学会専門医。産業医。岐阜大学医学部卒。総合病院の泌尿器科に勤務する傍ら、乳幼児の保護者を対象にした「おちんちん講座」や、思春期の学生向けの性に関する授業などを行う。現在6才男児、2才女児の子育て中。2022年7月に著書『泌尿器科医ママが伝えたい おちんちんの教科書』を上梓、全国各地で話題となっている。


<調査のまとめ>
子供を医者にするための厳選情報 無料メルマガの詳細を見る教室での授業に興味がある方へ 幼児教室ひまわりへ問い合わせをする