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[アンケート調査]「中学受験塾に通い出したのは何年生から?」全国偏差値60以上の中学校に通う保護者調査
意外に通塾なしの中学受験組も多い?通塾開始時期は「小学4年生の2月~小学5年生の1月」 が最も多く、23.3%。「通っていない」も20.7%。
ひまわり教育研究センターは、2022年8月、偏差値60以上の中学校に通うお子さんをもつ保護者150人に「お子さんの中学受験」について複数のアンケート調査を行いました。
今回は「中学受験塾に入塾した時期」についてのアンケート調査の結果を公開いたします。(調査会社:ゼネラルリサーチ株式会社 調査時期 2022年8月16日~8月18日)
<調査の背景>
我が子に中学受験をさせようと考えている保護者の方々は「いつから中学受験対策塾に通わせるのがベストなのか」ということに大変関心があると思います。「早くから入塾しないと席が埋まってしまうのではないか」、あるいは「早くから入塾したら後から失速してしまうのではないか」など様々な情報が飛び交い、いつが最善なのかと悩まれる保護者も多いと聞きます。さらには、中学受験塾は総じて高額であり、保護者の方々にとっては経済的な負担も大きいものです。
そこで、今回は偏差値60以上の中学校に通う保護者の方を対象に通塾の時期についての調査を行いました。調査により、中学受験へむけての通塾開始の実態が明らかになったことと思います。
<調査の内容>
• あなたのお子さんは中学受験対策塾(公文などを除く)に何年生から通われましたか?
<調査対象について>
偏差値60以上の中学校に通うお子さんをもつ保護者150人のうち、保護者の性別は男性81人(54%)女性69人(46%)でした。子供の性別は、男子69人(46%)、女子81人(54%)で、子供の年齢は中学1年生16人(10.7%)、中学2年生68人(45.3%)、中学3年生66人(44%)でした。
子供の通う中学校がある地域は、関東が一番多く、62人(41.3%)でした。続いて多いのは近畿の33人(22%)、中部19人(12.6%)でした。地域の詳細は以下のグラフの通りです。
偏差値60以上の中学校に関してはこちらのランキングを参考にしています。(https://www.minkou.jp/junior/ranking/deviation/)
Q. あなたのお子さんが通う中学校がある地域を教えてください
<調査の詳細>
Q. あなたのお子さんは中学受験対策塾(公文などを除く)に何年生から通われましたか?
偏差値60以上の中学校に通うお子さんをもつ保護者150人に「あなたのお子さんは中学受験対策塾(公文などを除く)に何年生から通われましたか?」という質問をしたところ、一番多かった回答は、「小学4年生の2月~小学5年生の1月」の35人(23.3%)でした。次に多かったのは、「小学3年生の2月~小学4年生の1月」の33人(22.0%)でした。続いて多かったのは、「通っていない」の31人(20.7%)、「小学5年生の2月~小学6年生」の29人(19.3%)でした。
「小学1年生」から中学受験対策塾に通っていたと回答したのは6人(4.0%)でしたが、そのうち、4人が近畿地方、2人が関東地方の中学校に通う子供をもつ保護者でした。「小学1年生2月~小学2年生1月」と回答した保護者5人(3.3%)のうち、2人が関東地方、2人が東北地方、1人が九州地方の中学校保護子供を持つ保護者でした。
中学受験対策塾は、中学受験が終わる2月ないし3月くらいから新しくカリキュラムが開始されることが多いので、「2月~翌年1月」の区分で調査しています。
Q. あなたのお子さんは中学受験対策塾(公文などを除く)に何年生から通われましたか?
次に、人数が多かった関東地方について集計します。
偏差値60以上の関東地方の中学校に通うお子さんをもつ保護者61人に「あなたのお子さんは 中学受験対策塾(公文などを除く)に何年生から通われましたか?」という質問をしたところ、一番 多かった回答は、「小学4年生の2月~小学5年生の1月」の16人(26.2%)でした。次に多かっ たのは、「小学3年生の2月~小学4年生の1月」の14人(23.0%)でした。続いて多かったの は、「通っていない」の10人(16.4%)、「小学5年生の2月~小学6年生」の9人(14.8%)でし た。
全体調査との違いは、「小学2年生2月~小学3年生の1月」から通塾したと回答した関東地方の 保護者が全国の保護者よりも割合が多かったことです(関東地方13.1%、全国7.3%)。一方 で、「小学5年生の2月~小学6年生」(関東14.8%、全国19.3%)、「通っていない」(関東16.4%、全国20.7%)と回答した関東地方の保護者は全体の保護者よりも割合が少ない結果となり ました。
Q. あなたのお子さんは中学受験対策塾(公文などを除く)に何年生から通われましたか?(関東 地方61人調査結果)
2番目に人数が多かった近畿地方についても集計します。
偏差値60以上の近畿地方の中学校に通うお子さんをもつ保護者33人に「あなたのお子さんは中学受験対策塾(公文などを除く)に何年生から通われましたか?」という質問をしたところ、一番多かった回答は、「小学5年生の2月~小学6年生」の8人(24.2%)、「通っていない」の8人(24.2%)でした。次に多かった回答は、「小学3年生の2月~小学4年生1月」の6人(18.2%)、「小学4年生の2月~小学5年生の1月」6人(18.2%)でした。
全体調査との違いは、一番多かった回答が「小学5年生の2月~小学6年生」と「通っていない」だったことです。一方で、「小学1年生」から通塾したと回答した近畿地方の保護者の割合が、全体の保護者より多い結果となりました(近畿12.1%、全国4.0%)。
Q. あなたのお子さんは中学受験対策塾(公文などを除く)に何年生から通われましたか?(近畿地方33人調査結果)
<調査結果>
今回の調査により、偏差値60以上の中学校に通う子供たちの45.3%は、中学受験対策塾に「小学4年生の2月~小学5年生の1月」あるいは「小学3年生の2月~小学4年生の1月」から通塾していたことがわかりました。二つの時期に若干の差はあるものの、ほとんど同数と考えてよいと思います。一方で、通塾していなかったという子供たちも20.7%いました。中学受験には中学受験対策塾に通うのが必須だと考えがちですが、オンライン授業や通信教育、家庭教師、学習アプリ、動画配信など子供たちをとりまく学びの手段は選択肢が増えており、必ずしも通塾が必須ではないことを示しているかと思います。
地域の特徴としては、関東地方は、最も多かった回答の「小学4年生の2月~小学5年生の1月」、次に多かった回答の「小学3年生の1月~小学4年生の1月」の二つの時期の合計が全体の49.2%を占めました。近畿地方は、「小学1年生の4月」から中学受験塾に通い出す子供たちの割合(12.1%)が全国に比較して多いのが特徴的でした。
今回の調査では、調査対象が偏差値60以上の中学校に通うお子さんをもつ保護者でしたので、お子さんの多くが第1希望ないしは第2希望の中学校に合格されたのではないかと推測します。かつ、現在中学1年生から3年生のお子さんを持つ保護者に絞ったことにより、より最新のデータを調査できたのではないかと思われます。
<調査を終えて>
中学受験をしようと考えている保護者の方から「いつから中学受験塾に通塾すべきですか」というご質問をよく受けます。早い方がよいのか遅い方が良いのか、保護者の方にとっては悩ましいところだと思います。
目指す中学校にもよりますが、難関中学校であれば小学校3年生の2月頃より始まる小学校4年生クラスから3年間通塾するのが一般的です。
我が家の3人の子供たちは長男は小学5年生、次男は小学4年生、三男は小学3年生クラスから通塾しました。下の子供になるにつれ通塾が1年ずつ早くなりましたが、「早くから塾に通っておいた方が良いから」という理由ではなく、単に「いつも一緒に遊ぶ兄弟がいなくなり、塾に行きたがったから」でした。忙しい私にとっても塾に行ってくれた方が好都合でした。
どの時期から通塾してもメリットデメリットはありますし、どの時期から通塾しても学力的に大差はない結果となりました。
いつから通塾するにしろ、塾の学習をスムーズに進めるためには、相応の学力と学習習慣がついていることが大切です。そのためには、通塾の準備としての保護者の方の学習サポートが必須であると思います。
ひまわり教育研究センター
所長 上田尚子
<調査のまとめ>
• 偏差値60以上の中学校に通う子供たちの中学受験対策塾に通塾を開始した時期で多かったのは、「小学4年生の2月~小学5年生の1月」の35人(23.3%)、「小学3年生の2月~小学4年生の1月」の33人(22.0%)でした。
• 中学受験対策塾に「通っていない」と回答したのは31人(20.7%)でした。
• 最も回答が多かった関東地方において中学受験対策塾に通塾を開始した時期で一番多かった回答は、「小学4年生の2月~小学5年生の1月」の16人(26.2%)、「小学3年生の2月~小学4年生の1月」の14人(23.0%)でした。