第2回:親が子供に望むことは何か?

改めて、あなたがお子さまに望むことは何でしょうか?

・中学受験に合格すること?
・国立大学の医学部に合格すること?
・医者になること?
・トップレベルの大企業に就職すること?

どれも正しいと思います。

確かにそのとおりです。

ですがこれらは、広い意味で“目先の目標”だと思います。

中学受験に合格しても、医者になったとしても、子供の人生はずっと続いていきます。
子供が成長して大人になれば、親から自立していくのですが、親にとってはいつまでも子供です。

ですので、中学受験も大学受験も就職も、子供の長い人生で見れば、それらは“目先の目標”に過ぎません。

では、親が子供に望むことは何か?
自分の命がある限り、我が子にどんな人生を送ってほしいのか?

それは、「子供の自己実現」であると私は考えています。

「自己実現」とは簡単に言うと、
「自分らしく生き、自分が望む生き方で幸せを手にいれること」です。

この自己実現こそが人生の目標であるため、自己実現から逆算して考えて、

・医者(トップレベル)になる
・国立大学の医学部に合格する
・中学受験に合格する

というように、具体的な目先の目標を立てていくのです。

まずはこのように、
「夢や目標から逆算して、現在の具体的な行動に落とし込む」
ということを忘れないようにしましょう。

中学受験も医者になることも、最終目標である子供の自己実現のための“中間目標”なのです。

このことを忘れてしまうと、極端な話、

・中学受験で難関校にさえ合格すればもう人生の勝ち組になれる
・医者にさえなれば人生は安泰する

という考え方と行動になってしまいます。

今までの時代はそれでも良かったのですが、これからの時代は、この考え方と行動は、ちょっと危ないので注意が必要です。

それはなぜか?

多様化する社会に求められるスキル

少し前の時代というのは、「正解が一つに絞られていた時代」と言えます。

子供の自己実現を望むという親の願いの本質は、今も昔も変わりません。
以前までの時代は、その自己実現を叶える手段(正解)がわかりやすく絞られていました。

たとえば、社会的地位の高い職業に就くことが、自己実現しやすい手段として絞られていました。
その代表格が医者であり、だからこそ私も医者を目指し、医者になりました。

医者を目指すこと自体には、何も問題はありません。

ですが、

・インターネットの普及
・産業のグローバル化
・AIの発達

などによって、関わる人の種類も増え、今ある職業が消え、新しい職業が出てくるなど、
社会が「多様化」されていきました。

それにより、人々が手にする情報の量が増え、考え方も多様化され、医者に対する見方も変わってきているのです。

実際に、医者の言うことよりも、ネットに載っている医療情報などが信用されるようにもなっています。
特に、コミュニケーション能力が低く、患者と信頼関係ができない医者は、権威性が薄れてきているのです。

ですので、以前までは「医者になれば良かった」という部分はありました。

ですがこれからの時代は、医者になっても、

・患者との信頼関係
・コミュニケーション能力
・周囲との協働力

など、以前まではそこまで重要視されなかった“あるスキル”が必要になっていきます。

その“あるスキル”とは、「ライフスキル」です。

ライフスキルを身につけていないと、

・中学受験に合格しても社会に出た時に困るかもしれない
・医者になっても患者から信頼されず苦労するかもしれない

というように、目先の中間目標を達成しても、最終目標である自己実現が達成できない可能性があるのです。

ライフスキルとバランス感覚

ライフスキルを一言で訳すと、「生きる力」です。
日常生活に生じるさまざまな問題や要求に対して、対応していく能力です。

ライフスキルはもともと、世界保健機構(WHO)が1994年に、各国の学校の教育課程へ導入することを提案したものです。

多様化されていくこれからの時代は、柔軟性や応用力が求められます。
ですからこのライフスキルは、必須になるでしょう。

それに対して、これまでの時代で重要視されていたのが、「アカデミックスキル」。
つまり「学力」です。

ただ、このアカデミックスキルが不要になったわけではありません。
多様化された時代に順応するために、“プラスして”ライフスキルがより必要になったのです。

ですので、これからの時代、日本を背負うトップレベルの人材に求められる能力は、
“アカデミックスキル”と“ライフスキル”の「融合」
ということです。

この二つのスキルをバランス良く身につけた人材に、人は集まり、人から応援され、成果を出していくでしょう。

では、そんなライフスキルを子供が身につけるためには、どうすれば良いか?

もともとライフスキルは、今生活の知恵やコツとして、親から子へしつけという形で、無意識的に体験的に伝えられてきました。
家庭環境によって伝え方が違うので、スキルの身に付き方もバラバラです。

さらには、少子化、地域社会の変化、情報化などによって、世代ごとの価値観が変わり、人間関係が薄くなり、
ライフスキルスキルを学ぶ機会(体験)も極端に減ってきています。

そこで幼児教室ひまわりでは、今では学ぶこと自体が難しいこのライフスキルを、
正しく、高いレベルで身につける方法をまとめています。

さらには、

・アカデミックスキルとの融合
・アカデミックスキルとのバランス調整

なども合わせてノウハウ化しています。

これらの内容を、こちらのコラムでお伝えしています。

まずは今日のコラムでお伝えしました、

・子供の自己実現を望むこと
・自己実現から逆算して目先の中間目標を立てること
・アカデミックスキルだけでなく、ライフスキルも身につけること

これらを意識しておいてください。

続きはこちら第3回:これからの時代で活躍する天才とは?